警察は全国に指名手配している容疑者およそ630人についてポスターやホームページで顔写真を公開していますが、10年以上逃亡しているケースも多く、実際の顔と手配写真がかけ離れていることがあるのが実態です。
このためIT大手のヤフーなどの民間企業のチームが警察庁と協力し、長期間逃亡している容疑者の顔をAI技術を使って予測するシステムを開発しました。
2万枚以上の顔写真データを使い、年齢に応じたしわや皮膚のたるみなどを表現することができます。
また、頭髪や体重の増減によって複数のパターンの顔を表示できるということです。
このシステムを使った容疑者の顔写真は30日からインターネット上に掲載され、専用のフォームから警察に情報提供ができるようになっています。
警察庁刑事局刑事企画課の重松弘教課長は「スマートフォンなどから閲覧することができ、1件でも多くの情報が寄せられることを期待したい」と話しています。
指名手配容疑者の3割が10年以上逃亡
警察庁によりますと、指名手配されている容疑者はことし8月末現在、全国でおよそ630人いて、このうちおよそ30%にあたる180人が、手配から10年以上逃亡を続けているということです。
なかには手配写真が撮影されてから40年以上たっているケースもあり、今の顔とかなりかけ離れていることもあるとみられます。
また、事件の発生から時間がたつにつれて容疑者についての情報提供が減少する傾向があり、情報をどう集めるかが課題になっています。