自民党の高木啓幹事長は、小池知事が都政改革本部に多数の顧問を起用していることに触れ、「知事の側こそ、都議会や都民にとりブラックボックスに
なっているのではないか」と指摘し、選挙期間中に「都議会もブラックボックスだ」と発言した真意などをただしました。
これに対し、小池知事は「都民の目線では見えづらいところもままあることを表現した。都政改革本部を土台として全庁に改革マインドを根づかせるとともに、ガバナンスの機能強化を図る」と述べました。
また、豊洲市場の問題で、築地市場からの移転延期を都議会の報告前に記者会見で発表したのは議会軽視だという指摘に対し、小池知事は「今後、さまざまな観点から議論してもらう。議会軽視とは考えていない」と述べました。
豊洲への移転延長「議会軽視とは考えていない」
小池知事の就任後、初めてとなる都議会は先月28日に開会し、知事の所信表明を受けて4日午後から各会派による代表質問が行われています。
自民党の高木啓幹事長は、小池知事が都政改革本部に多数の顧問を起用していることに触れ、「知事の側こそ、都議会や都民にとりブラックボックスに
なっているのではないか」と指摘し、選挙期間中に「都議会もブラックボックスだ」と発言した真意などをただしました。
これに対し、小池知事は「都民の目線では見えづらいところもままあることを表現した。都政改革本部を土台として全庁に改革マインドを根づかせるとともに、ガバナンスの機能強化を図る」と述べました。
また、豊洲市場の問題で、築地市場からの移転延期を都議会の報告前に記者会見で発表したのは議会軽視だという指摘に対し、小池知事は「今後、さまざまな観点から議論してもらう。議会軽視とは考えていない」と述べました。
五輪施設見直し「1か月めどに一定の結論得るよう努力」
公明党の東村邦浩幹事長は、都の調査チームが東京オリンピック・パラリンピックの競技会場の整備計画の大幅な見直しを提言したことについて、「見直す場合には関係機関や他県との協議、既存施設の改修の可能性の検討や決定に多大な時間が必要で、2020年の開催に間に合うのか」と述べ、期限を区切って結論を出すよう求めました。
これに対し、小池知事は「すでに担当局などで検討に着手していて、1か月をめどに一定の結論を得るよう努力したい。大会準備を間に合わせなければならないことはもちろんだが、併せて負の遺産にならないよう、仮設での対応や大会後のコストをしっかり算定して負担の低減を図る必要がある」と述べました。
また、豊洲市場の問題で移転延期に伴う市場関係者への補償について、小池知事は「損失に対しての補償など必要な支援策を講じ、早急に対応していくことが重要だ」と述べました。
「大会組織委への都の関与の在り方も整理」
共産党の大山とも子幹事長は、豊洲市場の問題をめぐり都が発表した内部調査結果について、「事実経過や責任の所在も明らかにされなかった。隠蔽体質にメスを入れるべきだ」と述べ、徹底した調査を求めました。
これに対して、小池知事は「最も大きな要因はガバナンスと責任感の欠如と言わざるをえず、都庁の組織が抱える問題だ。個人の特定を引き続き行い、公益通報制度を活用しながら情報収集をさらに進める」と述べました。
この問題で大山幹事長は、真相を究明するため、より厳しい調査権を持つ百条委員会を都議会に設置することを提案しました。
また、東京オリンピック・パラリンピックの開催費用の削減について、小池知事は「都の調査チームによる推計で、運営費の総額が3兆円を超える可能性があると厳しい指摘がなされた。大会組織委員会も資金の有効活用に取り組むことが不可欠で、財政面を含め組織委員会に対する都の関与の在り方も整理していく」と述べました。
民進党の尾崎大介幹事長は、都が豊洲市場の敷地で行っている地下水のモニタリング調査で、環境基準を上回る有害物質のベンゼンとヒ素が検出されたことについて、「極めて憂慮すべき事態でこれまでの土壌汚染対策に手抜きがなかったのか」と質しました。
これに対し、小池知事は「報告を聞いた時には驚いた。まずは現在実施中の2年間の地下水モニタリングを着実に実施し、安全性について『専門家会議』などで調査、検証を行う」と述べました。
また、豊洲市場の土地の取得をめぐる都と東京ガスとの交渉経過の資料がほとんどが黒塗りで情報公開されたという指摘について、小池知事は「盛り土をめぐる事態を2度と繰り返さないため『見える化』に向けた情報公開の徹底が不可欠だ。市場移転の経緯も原則開示を徹底し、個人情報や企業の事業活動情報などにも配慮しながら、相手方との協議のうえで非開示部分を最小限にする」と述べました。
都議会では、4日の代表質問に続いて、5日の一般質問や6日以降の各委員会で議論が行われることになっています。
知事「眠っている人いなく驚き」
小池知事は代表質問の終了後、記者団に対し、「知事に対する質問の数はふだんは多くないそうだが、きょうは盛りだくさんで、真正面から答えさせて頂いた。国会と比べて眠っている人がいなかったことが驚きで、都議会について報道されることでいろいろな効果があり、都政改革が進むと思う。1つずつ着実に進めるが、オリンピック・パラリンピックの開催費用や豊洲市場の問題など大きな課題はさまざまな観点から検討してもらっていて、決めるべき時には決める」と述べました。
また、都議会自民党の高木幹事長が、小池知事の選挙期間中の発言などを引用して質問したことについては、「普通の質問だったと思う」と述べました。
各党代表の反応
代表質問を行った自民党の高木啓幹事長は「小池知事も誠意をもって答弁していたと思う。都民の代表である議会に事前に説明してほしいと申し上げたが、質疑を通じて知事も考えてくれると思うので推移を見守りたい。時間をかけて議論する中で、距離感を縮めながら、よりよい都政を目指したい」と話していました。
公明党の東村邦浩幹事長は「小池知事は真摯(しんし)に答弁し、100点に近い内容だったと思う。歴代の知事とも是々非々で対応しており、福祉など守るべき政策は継続するよう求めていく。東京オリンピックの3つの競技施設の見直しは、およそ1か月間の猶予の中で、結論を出してもらいたい」と話していました。
共産党の大山とも子幹事長は「再質問で求めた豊洲市場の地下水管理システムの契約の調査に対して、知事から「必要があれば調べる」という答弁を引き出せたことは大きな意義がある。豊洲市場については、知事には自分の問題としてもう少し踏み込んでもらいたかった」と話していました。
民進党の尾崎大介幹事長は「豊洲市場の問題では、今後のロードマップをもう少し打ち出して欲しかったが、知事の答弁は全般的によかったと思う。情報公開を進めるなど都庁のガバナンスを改革していこうという姿勢は感じた」と話していました。