天皇陛下の
生前退位などについて
検討する
政府の
有識者会議は、
17日、
初会合を
開き、
憲法や
皇室などの
専門家から、
天皇の
退位や
公務の
在り方、それに
負担軽減策など
8項目について
意見を
聴取する
方針を
確認しました。
会議では、
年明けにも
論点整理を
行ったうえで
来年春ごろの
提言の
取りまとめを
目指して、
検討を
本格化させるものと
見られます。
政府が
新たに
設置した「
天皇の
公務の
負担軽減等に関する
有識者会議」は、
17日、
総理大臣官邸で
初会合を
開き、
安倍総理大臣は、「これから
議論してもらうのは
国家の
基本に
関わる
極めて
重要なことがらであり、
予断をもつことなく
十分に
審議し、
国民のさまざまな
意見を
踏まえた
提言を
取りまとめてほしい」と
述べました。
そして会議では、憲法や皇室などの専門家15人程度から、8項目について、意見を聴取することを確認しました。具体的には、日本国憲法における天皇の役割、天皇の国事行為や公的行為など公務の在り方、天皇がご高齢になった場合の負担軽減策、天皇が重い病気で国事行為にあたることができない場合などに代役を務める「摂政」の設置、それに国事行為の委任についての考え方です。さらに、天皇の退位、退位できるようにする場合、今後のどの天皇にも適用できる制度にすべきか、また、天皇が退位した場合のご身分やご活動の在り方について聞くことにしています。
一方、従来からの検討課題とされてきた女性・女系天皇については、聴取の項目には盛り込まれず、有識者会議では検討されないことになりました。
有識者会議は、次回、今月27日の会合で、意見を聞く専門家を選んだうえで、来月中に3回会合を開いて意見聴取を行うことや、会議や専門家の発言の内容を公表していくことを申し合わせました。
座長に就任した経団連の今井名誉会長らは記者会見し、初会合では、メンバーから「会議の役割として、論点や課題を明確に国民に示し、国民と一緒に考えていく土俵作りが非常に重要だ」などといった意見が出されたことを明らかにしました。
有識者会議では、政府が早ければ来年の通常国会で法整備を行うことを視野に入れていることから、専門家からの意見聴取を踏まえて年明けにも論点整理を行い、来年春ごろの提言の取りまとめを目指して、検討を本格化させるものと見られます。