自殺じさつ関西かんさい電力でんりょく社員しゃいん 高浜たかはま原発げんぱつ審査しんさ対応たいおう管理かんりしょく

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Oct 20, 2016 19:10
Furigana
福井ふくいけんにある高浜たかはま原子力げんしりょく発電はつでんしょ運転うんてん延長えんちょうけた審査しんさ対応たいおうたり、過労かろう原因げんいん自殺じさつしたと認定にんていされた関西かんさい電力でんりょく男性だんせい社員しゃいんは、審査しんさ必要ひつよう書類しょるい作成さくせいする担当たんとう管理かんりしょく折衝せっしょうやくになうなど、重圧じゅうあつのかかる仕事しごとをしていたとられることがかりました。男性だんせいは、原発げんぱつ安全あんぜん対策たいさく審査しんさがいわゆる「合格ごうかく」となった当日とうじつくなりました。高浜たかはま原子力げんしりょく発電はつでんしょいち号機ごうき号機ごうきについて、原子力げんしりょく規制きせい委員いいんかいおこな審査しんさ対応たいおうたっていた関西かんさい電力でんりょくよんぜろだい男性だんせい社員しゃいんは、4月しがつぜろにち出張しゅっちょうさき東京とうきょうのホテルの部屋へや自殺じさつしているのがつかりました。

関係かんけいしゃによりますと、男性だんせいはことし2月にがつにはいちか月かげつ残業ざんぎょう時間じかんぜろぜろ時間じかんほどのぼっていたほか、3月さんがつからは東京とうきょう長期ちょうき出張しゅっちょうし、4月しがついちにちから自殺じさつ前日ぜんじつまでのいちきゅう日間にちかん残業ざんぎょう時間じかんいちぜろ時間じかんほどになっていました。このため、労働ろうどう基準きじゅん監督かんとくしょ自殺じさつは、長時間ちょうじかん労働ろうどうによる過労かろう原因げんいんだったとして、今月こんげつ労災ろうさい認定にんていしています。

関係かんけいしゃによりますと、男性だんせい管理かんりしょくで、労働ろうどう時間じかんについては労働ろうどう基準きじゅんほう規制きせいけず、審査しんさ必要ひつよう書類しょるい作成さくせい折衝せっしょうやくになうなど、重圧じゅうあつのかかる仕事しごとをしていたとられることがかりました。

男性だんせいくなった4月しがつぜろにちは、原子力げんしりょく規制きせい委員いいんかい高浜たかはま原発げんぱついち号機ごうき号機ごうき安全あんぜん対策たいさくが、あたらしい規制きせい基準きじゅん審査しんさ合格ごうかくしたことをしめ審査しんさしょ正式せいしき決定けっていした当日とうじつでした。

拘束こうそく時間じかんなが重圧じゅうあつのかかる仕事しごと

関係かんけいしゃによりますと、自殺じさつした男性だんせい社員しゃいん関西かんさい電力でんりょく高浜たかはま原子力げんしりょく発電はつでんしょ課長かちょうで、いち号機ごうき号機ごうきについて原子力げんしりょく規制きせい委員いいんかいおこな安全あんぜん審査しんさ対応たいおうたっていました。原発げんぱつさい稼働かどうけた資料しりょう作成さくせいや、規制きせい委員いいんかいへの説明せつめいなどの折衝せっしょう担当たんとうし、拘束こうそく時間じかんながく、重圧じゅうあつのかかる仕事しごとをしていたとみられています。

ことしにはいってからはいちか月かげつ残業ざんぎょう時間じかんいちぜろぜろ時間じかん大幅おおはばえるようになり、2月にがつにはぜろぜろ時間じかんほどのぼっていました。

3月さんがつからは原子力げんしりょく規制きせいちょうとの折衝せっしょうなどのために、東京とうきょう都内とないにある会社かいしゃ事務所じむしょ勤務きんむするようになり、都内とないのホテルでらしながら業務ぎょうむたっていました。4月しがついちにちから自殺じさつ前日ぜんじつまでのいちきゅう日間にちかん残業ざんぎょういちぜろ時間じかんほどのぼっていたということです。

男性だんせいくなるまえ深夜しんやまで業務ぎょうむをしていましたが、よくぜろにち出社しゅっしゃせず、午後ごごになって滞在たいざいさきのホテルの部屋へやくなっているのがつかりました。朝方あさがた自殺じさつしたとられています。

この原子力げんしりょく規制きせい委員いいんかい高浜たかはま原発げんぱついち号機ごうき号機ごうき安全あんぜん対策たいさくが、あたらしい規制きせい基準きじゅん審査しんさ合格ごうかくしたことをしめ審査しんさしょ正式せいしき決定けっていしました。

原発げんぱつ審査しんさ業務ぎょうむ規制きせい適用てきようがい

原子力げんしりょく発電はつでんしょさい稼働かどう前提ぜんていとなる規制きせい基準きじゅん審査しんさをめぐる業務ぎょうむについては、厚生こうせい労働ろうどうしょう通達つうたつ労働ろうどう基準きじゅんほう残業ざんぎょう時間じかんに関にかんする規制きせい適用てきよう除外じょがいし、さだめられた労働ろうどう時間じかんえて残業ざんぎょうをさせることができるようになっています。

対象たいしょうになるのは、九州きゅうしゅう電力でんりょく川内原かわないはらはつ東京とうきょう電力でんりょく柏崎かしわざき刈羽かりわ原発げんぱつなど平成へいせいねん11月じゅういちがつまでに審査しんさ申請しんせいおこなったななつの原発げんぱつについてで、これらの原発げんぱつ審査しんさに関にかんする業務ぎょうむでは、年間ねんかんさんろくぜろ時間じかん以内いないおさまれば法律ほうりつ基準きじゅんであるつきよん時間じかんえる残業ざんぎょうみとめられます。

一方いっぽう今回こんかい労災ろうさいみとめられた関西かんさい電力でんりょく男性だんせい社員しゃいん対応たいおうたっていた高浜たかはま原発げんぱついち号機ごうき号機ごうき対象たいしょうになっていません。

原発げんぱつ審査しんさをめぐる業務ぎょうむ適用てきよう除外じょがいにする理由りゆうについて、厚生こうせい労働ろうどうしょうは「公益こうえき事業じぎょうであり、集中しゅうちゅうてき作業さぎょう必要ひつようとされる」などとしています。

ほかの電力でんりょく会社かいしゃ上限じょうげんえて残業ざんぎょう可能かのう

NHKえぬえいちけい厚生こうせい労働ろうどうしょう通達つうたつについて、全国ぜんこく電力でんりょく会社かいしゃ取材しゅざいしたところ、対象たいしょうとなるいつつの電力でんりょく会社かいしゃすべてで労働ろうどう基準きじゅんほう残業ざんぎょう時間じかん上限じょうげんえて残業ざんぎょうできるようにしていて、このうちすでにさい稼働かどうしている九州きゅうしゅう電力でんりょく川内原かわないはらはつでは、つきいちななぜろ時間じかんまで残業ざんぎょう可能かのうにしていたことがわかりました。

労働ろうどう基準きじゅんほう残業ざんぎょう時間じかん上限じょうげんえて残業ざんぎょうできるようにしていたのは、原発げんぱつさい稼働かどう前提ぜんていとなる原子力げんしりょく規制きせい委員いいんかい審査しんさ平成へいせいねん11月じゅういちがつまでに申請しんせいませた北海道ほっかいどう電力でんりょく東京とうきょう電力でんりょく関西かんさい電力でんりょく四国しこく電力でんりょく、それに九州きゅうしゅう電力でんりょくです。

このうち九州きゅうしゅう電力でんりょくは、佐賀さがけんにある玄海げんかい原発げんぱつ規制きせい基準きじゅん審査しんさ申請しんせいしているほか、鹿児島かごしまけんにある川内原かわないはらはつはおととし9月くがつ審査しんさ合格ごうかくし、その後そのごさい稼働かどうしています。

九州きゅうしゅう電力でんりょくによりますと、玄海げんかい原発げんぱつについてはよんよんにん適用てきよう除外じょがい対象たいしょうとして申請しんせいし、つきはちぜろ時間じかんまで残業ざんぎょうできるようにしていたほか、さい稼働かどうした川内かわうち原発げんぱつではきゅうにん対象たいしょうつきいちななぜろ時間じかんまで残業ざんぎょう可能かのうにしていたということです。

また、四国しこく電力でんりょくでは平成へいせい年度ねんど以降いこう技術ぎじゅつしょくはちはちにん対象たいしょう適用てきよう除外じょがい対象たいしょうとして申請しんせいしていました。

一方いっぽう北海道ほっかいどう電力でんりょく東京とうきょう電力でんりょく、それに関西かんさい電力でんりょくでも労使ろうし協定きょうていしょむすび、適用てきよう除外じょがいができるようにしていましたが、対象たいしょうとなる人数にんずう残業ざんぎょう時間じかんについては回答かいとうや、「公表こうひょうできない」などとしています。

時間じかんがい労働ろうどう野放のばなしになるのでだい問題もんだい

厚生こうせい労働ろうどうしょう原発げんぱつさい稼働かどうけた業務ぎょうむなどで時間じかんがい労働ろうどう制限せいげん適用てきよう除外じょがいしていることについて、労働ろうどう問題もんだいくわしい関西かんさい大学だいがく森岡もりおか孝二こうじ名誉めいよ教授きょうじゅは「しばりがなくなり、時間じかんがい労働ろうどう野放のばなしになるのでだい問題もんだいだ。突発とっぱつてき事案じあんはさまざまな分野ぶんやこる可能かのうせいがあり、あちらこちらに例外れいがいつくってはいけない。いま規制きせい方向ほうこうせいからいうと制限せいげん適用てきよう除外じょがいするというやり方やりかた問題もんだいがある」とはなしていました。

また、電通でんつう関西かんさい電力でんりょくといっただい企業きぎょう相次あいついで過労かろうきていることについて、森岡もりおか名誉めいよ教授きょうじゅは「だい企業きぎょうせい社員しゃいんらして少数しょうすう精鋭せいえいすすめているのでいちにんたりの業務ぎょうむりょうえ、ストレスをかんじる状況じょうきょうえている。ごろから負担ふたんおおきいなかで、さらにひとったり、きゅういそがしくなったりするとぬほどはたらかされるということになってしまう」と指摘してきしました。

そのうえで、「いま制度せいど企業きぎょうが『さんろく協定きょうてい』を届け出とどけでれば、いくらでもはたらかせることができるようになっている。これからのはたらかた改革かいかくでいちばん大事だいじなことはくに時間じかんがい労働ろうどう上限じょうげんもうけて規制きせいすることだ」とはなしていました。

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