北海道足寄町の
温泉施設で、おととし、
入浴中の
男性が
倒れて
意識不明の
重体となる
事故があり、
その後の
調査で
浴室から
国の
基準を
大幅に
上回る
硫化水素が
検出されたことから、
警察が、
硫化水素中毒の
可能性もあると
見て
詳しく
調べています。
事故を
受けて
環境省は、
温泉施設の
安全対策に関する
新たな
基準をつくる
方針です。
警察や
環境省によりますと、おととし
10月、
足寄町の
温泉施設で、
東京から
訪れていた
男性1人が
入浴中に
倒れ、
意識不明の
重体になったということです。これについて
環境省が
去年9月に
施設を
調査したところ、
浴槽の
周辺で、
国が
示している
基準を
大きく
上回る
濃度の
硫化水素が
検出されました。
警察は
硫化水素中毒の
可能性もあると
見て、
業務上過失傷害の
疑いで
詳しく
調べています。
国の基準では温泉を浴槽に入れる際には、空気に触れさせて硫化水素の含有量を抑えることを求めていますが、この施設は、浴槽の底から温泉を入れる構造になっていたということです。この温泉施設は事故の直後から休業しています。
一方、環境省によりますと、温泉施設の硫化水素の濃度を定期的に測定する国レベルの決まりはなく、換気口をどこに設けるかなどについても細かな基準がないということです。事故を受けて環境省は先月、専門家による検討会を設置して安全対策を協議していて、今年度中に新たな基準をつくる方針です。