先月、
東京都内の
広範囲に
停電をもたらした
地下の
送電施設で
起きた
火災について、
東京電力は、
送電ケーブルの
接続部で
漏電が
発生して
出火し、それが
燃え広がったと
推定する
調査結果をまとめました。
先月12日、
埼玉県新座市にある
送電ケーブルを
通す
東京電力の
地下の
施設で
火災が
起き、
都内のおよそ
58万戸が
一時、
停電しました。
この火災について、東京電力は、これまでの調査結果をまとめた報告書を10日、国に提出しました。それによりますと、火と煙が上がっていた通気口の真下にあるケーブルとケーブルの接続部の状況を調べたところ、18本あるケーブルのうち1本で、接続部を覆っていた銅製のカバーが裂けて大きくゆがんでいて、接続部の内部から膨張して破裂したと見られるということです。こうしたことから東京電力は、この1本のケーブルの接続部が何らかの理由で破損して漏電が起きて出火し、それが破損した場所から漏れ出た絶縁用の油に引火してほかのケーブルに燃え広がったと推定しています。
東京電力は、接続部での漏電による火災の拡大を防ぐため、防火用のカバーで覆う対策を進めていましたが、火元の接続部にはまだ取り付けられていませんでした。東京電力は、引き続き詳しい原因を調べるとともに、ケーブルの防火対策など、再発防止策を進めるとしています。
ケーブルの緊急点検には問題なし
東京電力パワーグリッドの中人浩一工務部長は会見で、「お客様や広く社会の皆様にご不便やご迷惑をおかけしたこと、また、火災発生現場の付近のお客様にご心配をおかけしたことについて、改めておわび申し上げたい」と陳謝しました。
また、今回の火災を受けて東京電力は、41線路合わせて1000キロ以上の送電ケーブルを緊急点検し、これまでに問題はなかったと説明しました。