この
夏以降の
台風や
日照不足の
影響で、
全国的に
葉物野菜を
中心に
野菜の
高値が
続いています。
農林水産省の
青果物卸売市場調査によりますと、このうち
都内の
野菜の
卸売価格は
14日の
時点でいずれも
1キロ
当たり「こまつな」が
516円で
去年の
同じ
時期に
比べて
3.
71倍、「レタス」が
317円で
3.
33倍、「はくさい」が
134円で
2.
85倍など、
多くの
葉物野菜が
去年同じ
時期の
2倍から
4倍近い
高値となっています。
江東区でおよそ60年間、野菜や果物を扱う店では「はくさい」が1個当たり1000円、「ほうれんそう」が1束250円など、多くの品目で通常の2倍から3倍を超える高値で販売しています。また、天候不順の影響で北海道産のじゃがいもは品種によっては通常よりも一回り小さいなど、野菜の品質にも影響が出ているということです。
買い物に訪れた62歳の女性は、「野菜が全体的に高くて本当に困ります。高い野菜は買わないようにしています」と話していました。店長の宇田川正次郎さんは、「こんなに高値が続くのは60年店をやっていて初めてで、天候不順は本当に困ります」と話していました。
野菜工場に熱視線
野菜の高騰が続くなか、レタスなどを室内の設備で栽培する工場では、天候に左右されずに安定的に仕入れができるとあってホテルなどからの引き合いが増えているということです。
東京・江戸川区の鉄道の高架下にある遊休地を活用した工場では、首都圏のホテルや飲食店を中心にレタスやバジルなどを1日400パック生産しています。
工場では、空調設備を使って温度を23度前後と一定に保つことができるため、野菜は1年を通して3週間から5週間で順調に育ち、1パック200円前後の価格帯で出荷できるということです。
天候に左右されずに安定的に供給ができるため、野菜価格の高騰が続くなかでホテルなどからの注文が前年に比べて2割ほど増えているということです。
新たな取引先からの引き合いも多く寄せられているということで、東京メトロ事業開発の花井量さんは、「台風が来ようが価格帯や仕入れを左右されないのが強みで、これからも安心安全な野菜を提供したい」と話していました。