先月の大統領選挙での勝利のあと、トランプ氏が支持者の前で演説を行うのは初めてで、トランプ氏は「オハイオ州で勝利をしたから大統領になれた」と感謝を伝えました。
そのうえで、「歴史を作ったが、本当の仕事はこれからだ。アメリカ第一主義を実行する。労働者を守っていき、決して見捨てることはない」と述べ、アメリカの国益を最優先に掲げる「アメリカ第一主義」を貫く姿勢を鮮明にしました。
トランプ氏はこの日も新政権の閣僚人事を発表するなど、来年1月20日の大統領就任に向けた準備を進めていますが、アメリカでは人種差別的な発言を繰り返してきたトランプ氏に抗議するデモが今も起きています。
大統領に就任するまでの間、トランプ氏は、激戦を制したオハイオ州など各州を回って演説を行う予定で、根強い批判もある中、次期大統領としての存在感をアピールする狙いもあるものと見られます。
期待と抗議の声
会場では、トランプ次期大統領の支持者から新政権に期待する声が相次いで聞かれました。
このうち8年前の選挙ではオバマ大統領に投票したという男性は、「この8年間、オバマ大統領の下では何も変わらなかった。トランプ氏ならアメリカだけでなく世界を変えてくれるだろう。経済を復活させ、アメリカに雇用を取り戻してくれるはずだ」と話していました。
また、別の支持者の男性は、これに先立って、トランプ氏が訪れた中西部インディアナ州の空調機器メーカーがメキシコへの工場移転計画を撤回したことを挙げて、「トランプ氏はすでに経済対策を実行している。トランプ氏なら製造業を復活させてくれると信じている」と期待を示しました。
一方、会場の外ではトランプ氏に抗議するデモも行われ、参加した女性は「トランプ氏は大統領にふさわしくないと声を上げたい。アメリカの恥だ。女性や同性愛者、イスラム教徒や移民が厳しい立場に追い込まれることを心配している」と話していました。