内戦が
続く
シリアで、
反政府勢力が
最大の
拠点としてきた
北部の
主要都市アレッポについて、
政府軍とそれを
支援する
ロシアは
12日、
町の
大部分を
制圧したと
明らかにし、アレッポをめぐる
攻防は
最終段階を
迎えています。
内戦が
続くシリアでは、アサド
政権とそれを
支援するロシアが
先月から
反政府勢力の
最大の
拠点、
アレッポの
完全制圧に
向けて
攻勢を
強めています。アレッポの
情勢について、シリア
政府軍と
ロシア国防省は
12日、アレッポの
大部分を
制圧したことを
明らかにしました。
また、内戦の情報を集めている「シリア人権監視団」も政府軍が反政府勢力の支配していた東部の97%を制圧し、反政府勢力は壊滅状態にあるとしています。
政府軍に包囲されているアレッポ東部の住民の男性はインターネットを通じたNHKの取材に対し、自分のいる場所の近くにも政府軍が迫ってきていると説明したうえで、「政府軍は拘束した女性は町の外に逃しているが、男性はひとり残らず殺害している」と述べ、町から安全に避難したいと訴えました。
ロシア国防省によりますと、これまでに反政府勢力の戦闘員2200人以上が投降したということで、アレッポをめぐる攻防は最終段階を迎えています。
米報道官 アサド政権とロシアを非難
アメリカ、ホワイトハウスのアーネスト報道官は12日の記者会見で「戦闘を停止させようと懸命の外交努力を続けているにもかかわらず、ロシアの後押しを受けるアサド政権は無実の市民への爆撃をやめようとしない」と述べ、アサド政権とその後ろ盾となっているロシアを非難しました。
シリアの内戦をめぐってアメリカとロシアはことし9月、アサド政権と反政府勢力の停戦を仲介しましたが短期間で崩壊し、アメリカはアサド政権に影響力を行使する意図がみられないなどとロシアを強く非難して、関係が悪化しています。その後アメリカは、シリアの周辺国を組み入れた多国間の枠組みで停戦を模索してきたものの進展はなく、手詰まり感が広がっています。
アレッポをめぐってもアメリカは、先週、イギリスやフランスなどとともにアサド政権とロシアを非難する声明を発表しましたが、攻勢をくい止めることはできていません。アーネスト報道官は、会見で外交努力を続ける方針を強調しましたが、「楽観はしていない」とも述べ、アサド政権やロシアとの交渉は難しいとの見方も示しています。