4年後の
東京オリンピック・パラリンピックの
組織委員会は、
最大でおよそ
1兆8000億円に
上ると
試算した
大会の
開催費用のうち
1兆円近くの
負担を
東京都や
政府などに
求める
案をまとめたことがわかりました。
都などが
負担をどこまで
受け入れるのか、
今後の
協議の
行方が
焦点となります。
東京オリンピック・パラリンピックの
開催費用については、
組織委員会が
最大でおよそ
1兆8000億円に
上るとする
試算をまとめたことがわかりました。
当初は開催費用の多くを組織委員会が負担する計画でしたが、みずからの財源だけでは賄えないことから、このうち最大で9900億円の負担を東京都や政府、関係自治体に求める案をまとめ、都などに伝えていたことが大会関係者への取材でわかりました。
負担を求めるのは、いずれも招致段階では全額を組織委員会が負担する計画だった経費で、大会運営費の50%となる4100億円、仮設施設の整備費の70%余りとなる2400億円、資材費や人件費の高騰などに備える「予備費」の全額で、1100億円から3400億円としています。
ただ、組織委員会以外の誰が負担をするのか現時点では詳しい内訳は示されておらず、都や政府、競技会場を抱える自治体など関係者が多いことなどから、今後の調整は難航することが予想されます。
負担の在り方を話し合う都と組織委員会、政府の3者による協議は小池知事が提案した競技会場の見直しにより中断されていましたが近く再開される見通しで、都などが負担をどこまで受け入れるのか今後の協議の行方が焦点となります。
五輪の費用負担めぐる経緯
大会の開催費用をめぐっては、招致段階に計画していた財源だけでは不足することがわかり、ことし3月から東京都、組織委員会、政府の3者で見直しの議論が進められています。
東京都はことし4月、当時の舛添知事が「むだな支出は避けなければいけないが、世界一の東京にするための先行投資だ」などとして、新たな負担を受け入れる考えを表明し、ことし9月ごろまでに3者による協議で費用負担の方針をまとめる予定でした。しかしその後、舛添知事が政治資金をめぐる問題で辞職し、さらに、新たに就任した小池知事が競技会場の見直しを提案したことから協議は事実上、中断しています。
こうした中、小池知事が設置した都の調査チームは仮設施設の整備費用のうち1000億円から1500億円程度を都が新たに負担する独自の案を公表しましたが、競技会場の見直しを優先する小池知事の意向で費用負担をめぐる議論は先送りされていました。
このため、神奈川県など競技会場を抱える自治体からは新年度の予算編成を控え費用負担の方針が決まらなければ準備に取りかかれないなどとして早期の結論を求める声が強まっていて、小池知事は今月上旬、「早く会場を決め、分担をどうするのか、答えを出していく責任がある」と述べ、方針決定を急ぐ必要があるという認識を示しています。
そして16日、競技会場の見直しの議論の最終的な結論が出たことで、オリンピック・パラリンピックの大会準備は焦点を新たな費用負担に移して再び動き出すことなります。
小池知事は16日の記者会見で、「まさしくこれからその話をする流れになる」と述べ、近く再開される見通しの3者による協議で都としての考えを示すものとみられます。