政務活動費をめぐる問題で2代続けて議長が辞任した宮城県議会で、今度は元の議長が寝泊まりしている借家の家賃を事務所費として政務活動費から支出していたことがわかりました。
平成17年まで宮城県議会議長を務めた渡辺和喜議員は、亘理町の自宅の向かいに2階建ての家を借りていて、家賃5万5000円の半分を毎月、政務活動費から支出し昨年度は33万円に上っています。宮城県議会の規定では、事務所の要件として看板を設置するなど外から見て事務所とわかることや連絡員を置くことなどが定められていますが、渡辺元議長によると、借家には直接、看板が掛かっていないほか、連絡員も置いていなかったということです。さらに、1年ほど前から寝泊まりもしていたということです。
またも“議長”が
(15日)
政務活動費をめぐる問題で2代続けて議長が辞任した宮城県議会で、今度は元の議長が寝泊まりしている借家の家賃を事務所費として政務活動費から支出していたことがわかりました。
平成17年まで宮城県議会議長を務めた渡辺和喜議員は、亘理町の自宅の向かいに2階建ての家を借りていて、家賃5万5000円の半分を毎月、政務活動費から支出し昨年度は33万円に上っています。宮城県議会の規定では、事務所の要件として看板を設置するなど外から見て事務所とわかることや連絡員を置くことなどが定められていますが、渡辺元議長によると、借家には直接、看板が掛かっていないほか、連絡員も置いていなかったということです。さらに、1年ほど前から寝泊まりもしていたということです。
渡辺元議長は、「看板は自宅と借家の間に置いていて、連絡員はいなかったが、事務所としての機能は備えている。最近は事務所に住んでいるほうが多い。あいまいな部分で生活と事務所をごちゃまぜにした要素があるのでそこは謙虚に受けとめる。疑いをもたれるようなことがあったことは申し訳ない。政務活動費を返還することはいまは考えていない」と説明しています。
渡辺元議長の所属する自民党会派は、政務活動費の支出が適切だったかどうか、精査するとしています。
“不適切な支出”監査求める
(14日)
徳島県議会議員4人が昨年度までの5年間に支出した政務活動費のうち、およそ590万円が不適正な支出だったとして、市民団体の「オンブズマン徳島ネットワーク」が返還を求める住民監査請求を行いました。
徳島県議会では、議員1人が1か月に20万円の政務活動費を使うことができ、使用目的は県議会のガイドラインで決められています。住民監査請求書によりますと、4人の議員の収支報告書などを調べたところ、はがきなどで発行された「県政報告」は内容があいさつ程度でガイドラインで定めた政務活動にあたらないとしています。また、議員が雇った職員に支払われたとされる人件費についても、業務日誌がないことなどから正当な雇用があったとは認められないとしています。
請求書は県の監査委員に提出され、受理されれば、60日以内に返還を求めるかどうか結論を出すことになります。
親族を雇用の人件費など禁止へ
(12日)
政務活動費の使いみちなどを定めた「運用マニュアル」の見直しを議論している石川県議会の小委員会が、改正案をまとめました。
それによりますと、事務所のスタッフとして民法上の親族を雇用した場合、これまでは生計が別であれば政務活動費から人件費を支払うことができましたが、今後は、生計が別であっても支払いを禁止するとしています。また、政務活動を行う事務所について、議員本人が役員を務める会社などが所有する物件を利用する場合、政務活動費から賃料を支払うことを禁止するとしています。このほか、石川、富山、福井の北陸3県で宿泊を伴う視察を行う場合、これまで不要だった報告書の提出を義務づけるほか、家族が視察に同行する場合はその必要性を文書で示すことにしています。
今後、県議会の各会派がこの改正案を持ち帰って検討し、年明けに開かれる改革推進会議で最終的な改正案を決める予定です。改革推進会議の座長を務める下沢佳充議員は、「使いみちについて疑念を持たれないようにするという方向性は各会派が一致しているので、この案で決まると思う」と話しています。
“使い切り”起きないように
(13日)
福岡県の新宮町議会は、議員1人当たり年間12万円の政務活動費を年度初めに支給していましたが、来年度からは、実績報告書や領収書を確認したうえで後から支給することを決めました。新宮町では昨年度、12人の議員に、合わせて144万円の政務活動費を支給し、72%が使われて返還額はおよそ40万円でした。
新宮町議会の北崎和博議長は、「1年間の経費を前払いでもらうというのは、民間と感覚のかい離があると思う。前払いだと使い切りの問題もあるので、そうした懸念を排除するため後払い方式に変えた」と話していました。
福岡県内では、うきは市議会が平成17年から後払い方式を導入していて、半年に1度、提出された領収書に基づいて、適正な支出かどうか確認し、実費を支給しています。昨年度は、12人の議員におよそ68万円を支給しましたがこれは予算として確保した144万円の半分以下で、全く使わなかった議員も3人いたということです。
(16日)
群馬県の伊勢崎市議会も、来年度からこれまで事前に支給していた政務活動費について、原則、使った分だけ請求する後払い方式にすることを決めました。伊勢崎市議会では、議員1人当たり年間42万円の政務活動費を、会派を通じて6か月ごとに前払いし、翌年度の4月末までに領収書を添付した収支報告書を議長に提出させています。しかし、前払い方式では、むだな支出が増える可能性があるとして、後払い方式への変更を決めたものです。ただ、必要とされる政務活動費が会派で10万円以上か1人3万円以上の場合には、理由を示せば事前に仮払いを受けることができるということです。
(16日)
石川県の珠洲市議会も、政務活動費を後払いで支給することを決めました。珠洲市議会では今年度まで4月と10月の年に2回、それぞれの議員に前払いで支給していましたが、来年度からは領収書などを提出したあと、最大で24万円が後払いで支給されることになります。収支報告書にあたる「実績報告書」は、来年度分からインターネットで公開することも決まりました。
大兼政忠男議長は、「透明性の確保や信頼の回復を図るには、後払いにするのが適切で、二度と問題を起こさないように努める」と話していました。
年賀状も
(12日)
政務活動費で議員が年賀はがきを購入することについて、岐阜市議会の杉山利夫議長は「市民に疑問を持たれることから、今後、請求があった場合は、やめるよう議長として伝える」という考えを明らかにしました。
公職選挙法では、議員が年賀状などの時候のあいさつを選挙区内の有権者に送ることについて答礼のための自筆によるもの以外は禁止していて、岐阜市議会の政務活動費についての内規でも年賀状の購入を認めていません。ただ、年賀状かどうかは内容で判断するとしていて、政務活動費でお年玉付き年賀はがきを購入し、「明けましておめでとうございます」という新年のあいさつなどを印刷して送っていたケースでは、議員が「年賀状ではなく市政報告だ」と説明していました。
茶菓子は“300円以内で”
(15日)
山形県議会は、政務活動費の不適切な支出の再発防止策などを盛り込んだ報告書をまとめました。それによりますと、議員には3か月に1回、領収書の提出を義務づけ、茶菓子代に使える額は参加者1人につき、これまでの500円程度から300円以内とすることを手引きに明記するとしています。議長が、不適切な支出の可能性があると判断した場合は、検討委員会で調査を行うことも盛り込まれています。さらに、今年度分の政務活動費の収支報告書を、来年夏ごろからインターネットで公開するとしています。
検討委員会の佐藤藤彌委員長は、「今回まとめた報告書どおりに政務活動費を適切に処理してもらえれば問題は生じないものと考えている。議員には政務活動費に対する認識をしっかり持ってもらいたい」
情報公開の動き
(13日)
大分県議会は、政務活動費の領収書を、今年度分からインターネットで公開することを決めました。大分県議会では収支報告書はホームページで公開していますが、領収書は議会事務局で手続きをしなければ閲覧できません。県議会は来年7月の公開を目指し、準備を進めるということです。ただ議員が政務活動で自家用車を使用した際に1キロ当たり37円が支給される燃料代は、個人の利用との区別が難しいなどの理由で領収書の提出が義務づけられておらず、支給額が適当かどうかも含めて引き続き検討し、今年度中には結論を出したいとしています。
田中利明議長は「皆さんの貴重な税金を使って行う政務活動の内容を伝えたり、領収書を公開したりすることは当然だ。われわれの活動を県民の皆さんに見ていただきたい」と話しています。
(12日)
広島市議会は、今年度・平成28年度分から政務活動費の領収書をインターネットで公開することを決めました。広島市議会では、議員1人当たり、年間360万円の政務活動費を支給していて、これまでも収支報告書はインターネットで公開していましたが、領収書については市議会事務局で手続きをしなければ閲覧できませんでした。市議会では来年6月末の公開を目指して準備を進めることにしています。永田雅紀議長は「全国の地方議会で政務活動費の不正が相次いでおり、市民に疑念を持たれないよう情報公開を進めたい」と話しています。