来年4月からガスの
小売りが
自由化され、
各家庭が
都市ガスの
契約先を
選ぶことができるようになることから、
東京電力は、
来年7月に
都市ガスの
販売事業に
参入すると
発表しました。
家庭向けの
都市ガスは、
地域ごとに
国が
指定した
事業者が
独占的に
供給していますが、
来年4月からは、この
規制が
撤廃されるため、
各家庭は
契約先を
自由に
選ぶことができるようになります。これを
受けて
東京電力は、
来年7月、
家庭向けの
都市ガスの
販売事業に
参入すると
発表しました。
販売するガスは、発電用に輸入しているLNG=液化天然ガスを利用し、ガス会社のガス管を借りて、東京と神奈川の家庭を対象に供給できるようにするということです。料金は今後検討するとしていますが、電力とガスのセット販売による割り引きなどを行う予定で、初年度の契約件数は4万件を目標にするとしています。
ガスに先駆けて自由化された家庭向けの電力の販売では、大手のガス会社や通信会社など370を超える会社が参入し、電力とガスや通信料金などのセット販売による値下げが広がっています。今回は電力会社がガスの市場に乗り出すことになり、すでに関西電力や中部電力が参入するとしていますが、LNGの輸入で国内最大の東京電力が参入することで、競争が活発になって家庭の光熱費の抑制につながるのか注目されます。
ガスの小売自由化とは
ガス事業は現在、全国で203社があり、家庭向けはガスを供給する地域が決められ、地域を越えて供給することができませんでした。
来年4月からの自由化では、地域を越えてガスを供給することができるようになるほか、異業種からも参入することができるようになります。これによって都市ガスの原料にもなる、発電用のLNG・液化天然ガスを大量に輸入している電力会社を中心に異業種からの参入が見込まれ、競争によって料金の引き下げやサービスの向上が期待できるとされています。
ただ電気の販売と比べるとガスの販売への新規参入は難しいとされています。特にLNGは、産出国との間で長期かつ大型の契約を結ぶ場合が多く、電力会社などエネルギー関連の企業でないと海外から直接、調達するのは容易ではありません。さらに、業者どうしがガスを売買する卸市場が整備されていないため、新規の事業者はガスを調達しづらいのが実情で、参入しやすい環境づくりが求められます。