59
年前、
三重県名張市で
女性5
人が
殺害された「
名張毒ぶどう酒事件」で、
再審=
裁判の
やり直しを
求めている
弁護団が
新たな
証拠を
名古屋高等裁判所に
提出しました。
ぶどう酒の
瓶の
注ぎ
口に
封をしていた
紙に、
製造段階とは
異なる成分ののりが
付着しているという
鑑定書で、
弁護団は「
毒物が
別の
場所で
入れられて
封をされたことを
示す重大な
新証拠だ」
などとしています。
昭和36
年、
三重県名張市で、
ぶどう酒に
農薬が
入れられて
女性5
人が
殺害された「
名張毒ぶどう酒事件」では、
奥西勝元死刑囚が1
審で
無罪になったあと
死刑が
確定し、
再審を
求め
続けましたが、5
年前、
肺炎のため89
歳で
亡くなりました。
妹の岡美代子さん(90)が本人に代わって名古屋高等裁判所に10回目となる再審請求を行ったものの、3年前に退けられ、現在、異議を申し立てています。
こうした中、弁護団が裁判所の許可を得て、ことし8月、赤外線を当てて物質を特定する機器を使い、ぶどう酒の瓶の注ぎ口に封をしていた「封かん紙」と呼ばれる紙を調べた結果、製造段階とは異なる成分ののりが付着していたことがわかったということです。
弁護団は鑑定書をまとめ、新たな証拠として28日、名古屋高裁に提出しました。
確定した判決で、封かん紙は奥西元死刑囚が現場となった公民館で農薬を入れた際に破れたとされています。
弁護団長の鈴木泉弁護士は記者会見で「今回の鑑定の結果、毒物が判決で認定された場所とは別の場所で入れられ、のりで封をされた可能性がある。真犯人が存在することが明らかになった重大な新証拠だ」と説明しました。
今後、名古屋高裁が鑑定書を証拠として採用するかどうか判断することになります。