大阪 旭区の
神社で、
江戸時代に
作られた
豊臣秀吉とみられる
木像が
新たに
見つかりました。
全国で
見つかっている
秀吉の
木像の
中でも
最も大きく、
専門家は「
江戸時代の
大坂でひそかに
秀吉がまつられていたことを
示す貴重な
発見だ」と
話しています。
新たに
見つかった
豊臣秀吉とみられる
木像は、
寄せ木造りの
座像で、
頭の
上にある
冠が
無くなった
状態ですが、
高さが81.9
センチあります。
大阪市教育委員会によりますと、これまでに見つかった秀吉の姿を彫ったとみられる木像の中では、最も大きいということです。
木像は目尻が下がったやさしい老人のような顔に彫られていて、生前の秀吉を写実的に描いたものではなく、死後の江戸時代に作られたとみられています。
木像が見つかったのは大阪 旭区の大宮神社で、長年、扉をくぎ止めして閉められていた社殿の改修工事に合わせて、ことし1月から市教育委員会が初めて本格的な調査を進めた結果、見つかったということです。
豊臣秀吉は死後、神格化されましたが、徳川幕府の時代には表だって信仰することができなくなったと考えられています。
近世の彫刻の歴史に詳しい関西大学の長谷洋一教授は「徳川幕府のもとでも秀吉の影響力が大きい大坂で、ひそかに信仰が続けられていたことを示す貴重な発見だ。他の地域で見つかった像と比較などをしながら、当時の状況をひもとくきっかけになると考えられる」と話しています。
大宮神社の廣瀬哲宮司は「大坂城が落城したときに、ひそかに持ち出され、この神社に隠しまつられたという言い伝えもあったが、これまでは神社内にとどめてきました。調査の結果、文化財としても貴重なものだということがわかり、大変驚いています。新型コロナウイルスの影響で一般公開のめどはたっていませんが、この状況が落ち着けば修繕をほどこしたうえで公開を検討していきます」と話しています。