10
年前、フィリピン
南部ミンダナオ島で
知事選挙をめぐる
対立から、
政治家の
親族や
ジャーナリストなど57
人が
殺害された
事件の
裁判で、
首都マニラの
地方裁判所は
首謀者として
起訴された
男ら28
人にフィリピンの
最高刑の
1つ
に当たる
仮釈放のない
無期懲役を
言い渡しました。
この事件は2009
年11
月、
ミンダナオ島マギンダナオ
州で、
知事選挙の
立候補の
届け出に
向かっていた
政治家の
妻や
支持者、それに
同行取材していた
地元の
ジャーナリストなど57
人が
武装グループに
殺害されたものです。
これまでに当時の知事の息子で、被害者らの対立候補だった男やその親族など合わせて197人が起訴されていて、19日、1審に当たる首都マニラの地方裁判所は、身柄が拘束されている101人について判決を言い渡しました。
被告らの支持者が武装して救出に向かうおそれがあることから、判決は場所を裁判所から警察本部の敷地内に移し、100人以上の警察官が警備にあたる異例の態勢の中、行われました。
そして、裁判所は首謀者の1人で、被害者らの対立候補だった男など28人に対し、フィリピンの最高刑の1つに当たる仮釈放のない無期懲役を言い渡したほか、ほかの被告らにも6年以上の懲役などを言い渡しました。
この裁判は事件の翌年には初公判が開かれましたが、証言者が脅迫を受けたり、殺されたりするなどして、証拠集めが難航し、判決までに9年かかる異例の長期裁判となりました。
夫を殺害された女性は
今回の判決について夫を殺害された女性は「本当に苦しい10年間でした。首謀者たちに厳しい判決が出されて、安心しています」と話していました。
またジャーナリストだった夫を殺害された女性は、「正義が成し遂げられてジャーナリストの夫も、夫の同僚も喜んでいると思います」と話していました。