近畿管内の
JRの
沿線で
この秋、
列車とシカが
接触する
事故が
急増していることがわかりました。
JR西日本はシカが
鉄分を
補給するため、
線路をなめにくることが
要因の
一つに
考えられるとして、
線路への
進入を
防ぐ対策を
進めています。
JR西日本によりますと、
滋賀県内の
草津線など近畿管内の
山あいの
路線を
中心に、
この秋、
列車とシカなどの
動物が
接触する
事故が
相次ぎ、
9月から11
月の
3か月間では、
およそ570
件と
去年の
同じ時期に
比べて
3割ほど
増えています。
圧倒的に多いのはシカで、事故処理のため列車の運行が大幅に遅れたこともあるということです。
JR西日本によりますとシカが鉄分を補給するため、レールをなめに線路に入り込むことが要因の一つとして考えられるとして、鉄分などを配合した鹿寄せのブロックを線路脇に置いて、進入を防ぐ対策を進めています。
また事故が特に多い場所では「鹿柵」と呼ばれる鉄製の柵を張り巡らせる対策も行っていて、一定の効果を上げているということです。
JR西日本は「被害が増加していることに頭を悩ませている。今後とも試行錯誤しながら対策を進めていきたい」としています。
シカ寄せのブロックに口近づける
JR関西線の線路近くで撮影された映像です。
大きな角のあるオスのシカが、画面中央の木の根元近くにあるシカ寄せのブロックに口を近づけています。
資材にはシカが好むという鉄分などが混ぜられていて、しきりになめているのが確認できます。
JRによりますと資材は16センチ四方の大きさですが、設置してから3か月ほどでなくなるということです。
「鉄分含むミネラルは哺乳類に必要な栄養素」
東京 上野動物園によりますと、鉄分を含むミネラルはあらゆる哺乳類に必要な栄養素で、病気になりにくくするなど体調管理に重要な役割を果たします。
野生動物は土をなめるなどしてミネラルを補給していて、動物園では岩塩やカルシウムを餌に加えることで代用しているということです。
一方、シカやゾウなど特定の動物がそれぞれどれくらいの鉄分を必要としているのか、詳しいことは分かっていないということです。