札幌管区気象台によりますと、北海道は上空に非常に強い寒気が流れ込んでいることに加え、晴れて地表の熱が奪われる「放射冷却現象」の影響で各地で冷え込みました。
旭川市郊外の江丹別では9日朝の最低気温がマイナス36度ちょうどを記録しました。
道内で気温がマイナス36度以下となったのは昭和60年以来35年ぶりです。
このほか最低気温は
▽和寒町でマイナス34.5度
▽陸別町でマイナス30.7度
▽札幌市でも平年より8度ほど低いマイナス14.9度などと、
道内の173ある観測地点のうち125地点でこの冬いちばんの厳しい寒さとなっています。
気象台によりますと、日中も各地で最高気温がマイナス9度前後と平年の気温を下回る寒さが続く見込みで、気象台は水道の凍結や屋外での活動に注意するよう呼びかけています。
江丹別 川霧が発生 「顔がひりひり」
マイナス36度と記録的な寒さとなった江丹別では、地元を流れる江丹別川で、川の水温が気温よりも高い時に発生する「川霧」と呼ばれる現象が起き、水面から白い霧が浮かび上がり、一面に漂っていました。
気温がマイナス36度まで下がったのを知って旭川市中心部から寒さを体験しようと訪れた50代の女性は「ジーンズをぬらす実験をしてみたら、あっという間に凍りました。想像以上の寒さです」と話していました。
江丹別に住む30代の男性は「寒さには慣れていますが、さすがにマイナス36度は顔がひりひりします。車のエンジンがかかりづらかったです」と話していました。
陸別町も今季いちばんの冷え込み マイナス30度
十勝地方の内陸にある陸別町では夜明け前から観光客が集まり、マイナス30度の寒さを体感しました。
陸別町は9日午前6時前にマイナス30度を観測し、今シーズンいちばんの冷え込みとなりました。
町内の道の駅にある温度計でもマイナス30度と表示され、訪れた人たちが記念撮影をしたり湯の入ったカップ麺を凍らせたりして、厳しい寒さを体感していました。
釧路市から訪れた20代の男性は「マイナス30度の世界を体験しようと来ました。息を吸うと痛いです」と話していました。
午前6時半すぎに太陽が昇ると、町内を流れる利別川から真っ白な霧が立ちのぼり幻想的な光景になりました。
町内に住む70代の女性は「けさは寒かったです。年に何度かはこういう日があります。あすからは少し暖かくなるようなので、ほっとしています」と話していました。
新千歳空港 マイナス20.9度 欠航も
空の便にも影響が出ました。
全日空によりますと、9日午前7時半に新千歳から羽田に向かう予定だった便が、手洗い用の水などの給排水設備が凍結したため欠航しました。
乗客には別の便に乗り換えてもらったということです。
札幌管区気象台によりますと、新千歳空港では午前5時31分にマイナス20.9度まで気温が下がっていたということです。