WMOは、南極半島北端の沿岸部で今月6日、観測史上最も高い18.3度が観測されたと発表しました。
WMOでは暖かい風が山を越えて吹き降ろす「フェーン現象」が影響したと分析していて、当時の気象状況などすべてのデータを精査するとしています。
南極の年間の平均気温は沿岸部のマイナス10度から内陸部のマイナス60度までいずれも氷点下ですが、今回観測された気温は2015年に記録された最高気温17.5度を上回り、夏季でもこのような高温にはならないということです。
WMOによりますと、南アメリカに近い南極半島は、地球上で最も温暖化が速く進む地域で、過去50年間で気温がおよそ3度上昇しています。
半島の西海岸にある氷河は過去50年間で87%がとけていて、特にこの12年で加速しているということです。
南極の巨大な氷は4.8キロの厚さで世界の淡水の90%を占めているとされ、もしすべてとけた場合、海面はおよそ60メートル上昇するとしています。
WMOの広報官は「海面が上昇すれば私たちは大きな問題に直面することになる」と懸念を示しています。