仏南部アビニョンで25日、薬を飲ませて意識不明にした自分の妻を50人以上の男にレイプさせたとして起訴された被告に対し、検察が最長で禁錮20年を求刑した。被告には自らの行為に「完全な責任」があったとしている。
シャボー検察官は満席の裁判所で20年の刑期について、「長い」としながらも「当該の行為の重大な性質を考慮すれば十分ではない」と述べた。
その上で、ドミニク・ペリコ被告には精神疾患もなく、自ら犯した行為に完全な責任があると説明。被告は極めて危険な人物と考えられると付け加えた。
ペリコ被告は仏南部の自宅を訪れた男ら50人以上に妻のジゼルさんをレイプさせたとして起訴された。ウェブサイトやメッセージプラットフォームを使い、10年近くの期間にわたって周囲約40キロの地域から男らを集めていたという。男らに性的暴行させる前には、強力な鎮静剤を妻に投与するのが習慣だったと同被告は認めた。
検察による求刑の間、ペリコ被告は目を閉じてうつむいていた。他の被告50人も全員出廷したが、その多くはマスクで顔を隠していた。
ペリコ被告の弁護士は、裁判所の外で記者団に対し、求刑は驚きではなく完全に予想できたと指摘。それでも72歳の被告に禁錮20年を求刑することについては否定的な見方を示した。
最終審理の前日には、抗議団体が裁判所の外で51人の被告全員に禁錮20年の刑を科すよう求めるポスターを貼る様子も見られた。