米運輸安全委員会べいうんゆあんぜんいいんかい（ＮＴＳＢ）は９日ここのかまでに、米べいボーイング社製旅客機しゃせいりょかくき「７３７ＭＡＸシリーズ」の８型機がたきで機首きしゅの方角調整ほうがくちょうせいなどに使つかう方向舵ほうこうかじ（だ）が機能きのうしない事例じれいが先月見せんげつみつかり、新あたたな調査ちょうさを開始かいししたことを明あきらかにした。

ＮＴＳＢの暫定報告書ざんていほうこくしょによると、この事象じしょうは先月せんげつ６日むいか、米べいニュージャージー州しゅうニューアーク国際空港こくさいくうこうに着陸ちゃくりくを試ここのみた米大手べいおおてユナイテッド航空こうくうの旅客機便りょかくきびんの操縦士そうじゅうしが報告ほうこくした。

着陸準備ちゃくりくじゅんびで定さだめられた手順てじゅんを踏ふんでいる際さい、方向舵ほうこうかじペダルが「作動さどうしない」事態じたいに襲おそわれたという。

ＮＴＳＢによると、同便どうびんに搭乗とうじょうの乗客じょうきゃくら１６１人にんにけが人にんは出でず、乗降じょうこうゲートに無事ぶじに到着とうちゃくしていた。ユナイテッド航空こうくうの整備士せいびしらが３日後みっかよるの試験飛行しけんひこうを実施じっしした際さい、似にたような方向舵ほうこうかじの不具合ふぐあいが「起おきた」という。

ただ、ＮＴＳＢはこの同社どうしゃの試験飛行しけんひこうについて、方向舵ほうこうかじの機能きのうに関係かんけいする自動操縦じどうそうじゅうシステムの動作どうさを冷温下れいおんかで調しらべており、方向舵ほうこうかじペダルを踏ふむ力ちからが邪魔じゃまされた可能性かのうせいもあると指摘してきした。

ボーイング社しゃのＭＡＸ型がたシリーズの機材きざいで方向舵ほうこうかじペダルの問題点もんだいてんが浮上ふじょうしたのは初はじめて。しかし、同社製どうしゃせいの別べつの機種きしゅでは以前いぜんにも表面化ひょうめんかしていた。

７３７型機がたきの原型げんけいとも言いえる「ネクストジェネレーション（ＮＧ）」型機がたきでは２０１９年ねん、同様どうようの不具合ふぐあいが２件報告けんほうこくされていた。関係筋かんけいすじによると、機材きざいの部品ぶひんを変かえることで問題点もんだいてんを解消かいしょうしていたという。

ＭＡＸシリーズ機きは最近さいきん、機体製造過程きたいせいぞうかていでの安全管理対策あんぜんかんりたいさくの怠慢行為たいまんこういなどが表面化ひょうめんかし、ボーイングは対応策たいおうさくを迫せまられている。今年ことし１月がつ５日いつかには米べいアラスカ航空機こうくうきの機内側壁きないそくへきの一部いちぶが飛行中ひこうちゅうに吹ふき飛とぶ異例いれいの事態じたいも起おきていた。