米宇宙企業スペースXは13日、史上最も強力な打ち上げ機である「スターシップ」の試験飛行を行う許可を取得した。再びこの巨大ロケットの打ち上げに臨む。
スペースXが13日午後に送信したメールによると、打ち上げは米中部時間14日午前7時(日本時間14日午後10時)から110分の枠内で行われる可能性がある。打ち上げの約30分前に同社のウェブサイトでライブ配信が始まる見通し。
商用ロケットの打ち上げ許可を出すFAAは13日午後、スペースXのミッションを承認。「FAAはスペースXがすべての安全、環境、政策、財務責任上の要件を満たしたと判断した」と説明した。
スターシップの軌道投入はこれまで2度試みられたものの、いずれも爆発する結果に終わった。宇宙船とブースター(推進装置)は目的地に到達する前に炎に包まれた。
スペースXは宇宙船開発の初期段階には爆発を許容する姿勢で知られる。失敗を糧に迅速な設計変更を実施し、それがより良い結果につながるとの判断だ。
スターシップの成功には多くのものが懸かっている。スペースXのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はこのロケットについて、火星に初めて人類を送り込むという同社の創業ミッションの中心に位置付けている。
スターシップは米国を飛び立った宇宙飛行士を50年以上ぶりに月面に送り込むNASAの「アルテミス計画」の機材にも選ばれている。