米航空宇宙局(NASA)は26日、国際宇宙ステーションの引退に備え、同ステーションを軌道から離脱させる離脱機の開発を米スペースXに約8億4300万ドル(約1350億円)で発注すると発表した。
国際宇宙ステーションはフットボール競技場ほどの大きさがあり、重さは約450トン。スペースXが製造する離脱機を同ステーションに取り付けて誘導し、地球の軌道から離脱させる。離脱機とステーションは時速2万7359キロの速度を保ったまま大気圏に突入して燃え尽きる見通し。
国際宇宙ステーションはNASAとロシア宇宙機関ロスコスモスが共同で運用しており、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と欧州宇宙機関(ESA)、カナダ宇宙庁も運用にかかわっている。
NASAは発表の中で「国際宇宙ステーションの安全な軌道離脱は全5機関が責任をもつ」と強調した。
ただ、そうしたパートナー機関が離脱機の建造コストをある程度負担するのかどうかは明らかにしていない。
NASAは離脱機について、2029年までに準備が整うことを条件とすると説明している。しかしステーションが運用をいつ終了するのかははっきりしない。
NASAは2030年までは運用継続に貢献すると表明。一方、ロスコスモスは、参加を保証するのは「少なくとも2028年まで」としている。
同ステーションは地球から約400キロ上空の軌道上にあり、2000年以来、宇宙飛行士が交代で常駐している。しかし研究施設としては急速に老朽化が進んでいた。