気候変動や
食料不足への
対応が
世界的な
課題と
なる中、
植物に
低濃度のエタノールを
与えて
育てると
乾燥や
高温に
強くなることを
突き止めた
理化学研究所の
研究グループが、
農業への
活用を
目指して
世界有数の
農業国、
南米・ブラジルの
大学と
共同研究を
進めることになりました。
理化学研究所の関原明 博士の研究グループは、植物に低濃度のエタノールを水に混ぜて与えて育てると水だけで育てた場合よりも乾燥や高温、塩害への耐性が高まることを発見しました。
研究グループは、この技術の農業への活用を目指して、世界有数の農業国、南米・ブラジルのサンパウロ大学と共同研究を進めることになりました。
共同研究はブラジルの重要な農作物のサトウキビが対象で、与えるエタノールの濃度を変えることで、乾燥や高温への耐性にどのような変化が出るか確かめます。
ブラジルでは去年、アマゾン川が流れる北部一帯で観測史上、最悪と言われる干ばつの被害が広がるなど、気候変動が原因とみられる農業への被害が深刻化していて、対策が強く求められています。
研究グループは、これまでにトマトでもエタノールを与えることで高温耐性が高まることを確かめていて、関博士は「サトウキビのあとは大豆やトウモロコシなどほかの主要な農作物にも展開してブラジルの農業に貢献したい。将来的にはアジア、アフリカなどでも応用、展開ができれば」と話していました。
共同研究を進めるサンパウロ大学のアントニオ・フィゲイラ教授は「私たちは数年にわたりサトウキビの干ばつ耐性を研究してきた。日本との共同研究は非常によい機会になる」と話していました。