モスクワのテロ事件じけん ロシアがウクライナ側がわの関与かんよ主張しゅちょう強つよめる

プーチン政権せいけんはウクライナ侵攻しんこうを正当せいとう化かするためにもこうした主張しゅちょうを一段いちだんと強つよめている可能かのう性せいもあり、ウクライナ側がわは関与かんよを否定ひていするとともに反発はんぱつしています。

ロシアの首都しゅとモスクワ郊外こうがいのコンサートホールで起おきたテロ事件じけんでは、これまでに139人にんの死亡しぼうが確認かくにんされ、4人にんがテロに関与かんよした罪つみで起訴きそされています。

当時とうじ、現場げんばにいたワレリー・オクセニュクさんはNHKの取材しゅざいに対にたいし、銃撃じゅうげきは公演こうえんの開始かいしを告つげるブザーが鳴なった直後ちょくごに始はじまり、ホールの後方こうほうから中なかに入はいった男おとこたちはステージに向むかって移動いどうしながら発砲はっぽうしていったと明あきらかにしました。

オクセニュクさんは前列ぜんれつに座すわっていたということで「何なにが起おきていたのかわからなかったが、とにかく走はしった。身みを守まもる本能ほんのうのようなもので外そとまで逃にげた」と話はなしていました。

事件じけんについてロシアのプーチン大統領だいとうりょうは、イスラム過激かげき派はによる犯行はんこうだったとの見方みかたを示しめす一方いっぽう、ウクライナ側がわの関与かんよが疑うたがわれると主張しゅちょうしています。

さらに、プーチン大統領だいとうりょうの側近そっきんパトルシェフ安全あんぜん保障ほしょう会議かいぎ書記しょきは26日にち、ウクライナ側がわが関与かんよした疑うたがいについて「それを示しめすものは多おおくある」と述のべ、治安ちあん機関きかんのFSB＝連邦れんぽう保安庁ほあんちょうのボルトニコフ長官ちょうかんも記者きしゃ団だんに対にたいし、ウクライナだけでなくアメリカやイギリスも関与かんよした疑うたがいがあるなどと主張しゅちょうしました。

プーチン政権せいけんはウクライナ侵攻しんこうを正当せいとう化かするためにも、こうした主張しゅちょうを一段いちだんと強つよめている可能かのう性せいもあります。

一方いっぽう、ウクライナのゼレンスキー大統領だいとうりょうは関与かんよを全面ぜんめん的てきに否定ひていするとともに、ロシアの主張しゅちょうに強つよく反発はんぱつしています。

「拘束こうそく中ちゅうにひどい虐待ぎゃくたい受うけた」国連こくれんから任命にんめいの特別とくべつ報告ほうこく者しゃが指摘してき

国連こくれん人権じんけん理事りじ会かいから任命にんめいを受うけてロシアの人権じんけん状況じょうきょうを調査ちょうさする特別とくべつ報告ほうこく者しゃのマリアナ・カツァロバ氏しらは、ロシアの首都しゅとモスクワ郊外こうがいのコンサートホールで起おきたテロ事件じけんで実行じっこう犯はんとして拘束こうそくされている被告ひこくらについて「何なん人にんかが拘束こうそく中ちゅうにひどい虐待ぎゃくたいを受うけたとみられる」と指摘してきしました。

その上うえで「拷問ごうもんや残虐ざんぎゃくな行為こういに関にかんする疑惑ぎわくについて、ロシアは調査ちょうさをする必要ひつようがある。拷問ごうもんは公正こうせいな裁判さいばんや犠牲ぎせい者しゃの正義せいぎを損そこなう」として被告ひこくらの状況じょうきょうについて透明とうめい性せいのある説明せつめいをロシアに求もとめています。

被告ひこくらへの拷問ごうもんの疑うたがいをめぐってロシアの独立どくりつ系けいメディアは、裁判所さいばんしょなどで撮影さつえいされた映像えいぞうや写真しゃしんから激はげしく殴なぐられた痕あとがあるなどと伝つたえています。

また、耳みみが切り取きりとられたり電気でんきショックを使つかった拷問ごうもんを受うけていたりした疑うたがいがあると指摘してきしています。

こうした疑惑ぎわくについて記者きしゃ団だんから質問しつもんされたロシア大統領だいとうりょう府ふのペスコフ報道ほうどう官かんは25日にち「この質問しつもんには答こたえないままにする」と述のべました。