円えん安やす進すすむ 1990年ねん7月つき以来いらいの水準すいじゅんに

外国がいこく為替かわせ市場しじょうでは、先週せんしゅう、日銀にちぎんがマイナス金利きんり政策せいさくを解除かいじょしたあとも、緩和かんわ的てきな金融きんゆう環境かんきょうが続つづくとの見方みかたから、じりじりと円えん安やすドル高だかが進すすんでいました。

さらに、27日にちの東京とうきょう外国がいこく為替かわせ市場しじょうでは、午前ごぜん中ちゅう、日銀にちぎんの審議しんぎ委員いいんが講演こうえんで「当面とうめん、緩和かんわ的てきな金融きんゆう環境かんきょうが継続けいぞくすると考かんがえている」などと発言はつげんしたことを受うけ、円えんを売うる動うごきが強つよまりました。

このため、円えん相場そうばは正午しょうご前まえに、おととし10月つきにつけた1ドル＝151円えん94銭せんより値下ねさがりして、151円えん97銭せんをつけ、1990年ねん7月つき以来いらい、33年ねん8か月かげつぶりの円えん安やすドル高だか水準すいじゅんとなりました。

これについて、鈴木すずき財務ざいむ大臣だいじんは、記者きしゃ団だんの取材しゅざいに応おうじ、「高たかい緊張きんちょう感かんを持もって市場しじょうの動うごきを見みている。行き過いきすぎた動うごきにはあらゆるオプションを排除はいじょせずに断固だんこたる措置そちをとっていきたい」と述のべ、市場しじょうの動うごきを強つよくけん制けんせいしました。

市場しじょう関係かんけい者しゃは「円えん安やすが進すすむ中なかで、今週こんしゅうに入はいって政府せいふ関係かんけい者しゃから円えん安やすをけん制けんせいする発言はつげんが相次あいついでいることを受うけて、政府せいふ・日銀にちぎんによる市場しじょう介入かいにゅうへの警戒けいかい感かんも出でていて、神経質しんけいしつな値動ねうごきになっている」と話はなしています。

日銀にちぎんが利上りあげ決定けっていでも円えん安やす進すすむ事態じたいになったのは

日銀にちぎんは、先週せんしゅう行おこなわれた金融きんゆう政策せいさく決定けってい会合かいごうで、マイナス金利きんり政策せいさくを解除かいじょし、17年ねんぶりに利上りあげすることを決きめました。

一般いっぱん的てきに利上りあげをすればその通貨つうかを買かう動うごきが強つよまるとされますが、今回こんかいは、逆ぎゃくに円えんを売うる動うごきが広ひろがって、円えん安やすドル高だかが進すすむ事態じたいとなっています。

理由りゆうの1つは、日銀にちぎんが追加ついかの利上りあげを急いそがない姿勢しせいを示しめしているためです。

日銀にちぎんの植田うえだ総裁そうさいは、3月つき19日にちの会見かいけんで「金利きんりを引き上ひきあげるペースは経済けいざい物価ぶっかの見通みとおし次第しだいになる。ただし、現在げんざい、手元てもとにある見通みとおしを前提ぜんていにすると、急激きゅうげきな上昇じょうしょうというのは避さけられるとみている」と述のべています。

このため、市場しじょうでは、日にち米べいの金利きんり差さが大おおきい状態じょうたいが続つづくという見方みかたが広ひろがり、円えん売うりドル買かいにつながっています。

今後こんごの焦点しょうてんとなるのが、アメリカの中央ちゅうおう銀行ぎんこうにあたるFRBの利下りさげの動向どうこうです。

FRBが3月つきの金融きんゆう政策せいさくを決きめる会合かいごうで示しめした、参加さんか者しゃによる政策せいさく金利きんりの見通みとおしは、年内ねんないに3回かいの利下りさげが行おこなわれるという内容ないようでした。

市場しじょうでは6月つきの会合かいごうで利下りさげを始はじめるという見方みかたが広ひろがっていますが、FRBのパウエル議長ぎちょうは「ことしのある時点じてん」と明言めいげんを避さけていて、そのタイミングに関心かんしんが集あつまっています。