世界の3種に1種以上の樹種が絶滅の危機にひんしていることが分かった。南米コロンビア・カリで開催中の生物多様性条約締約国会議(COP16)で28日に報告された国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで明らかになった。これは地球の生態系が直面している危機の規模を浮き彫りにするものだ。
評価された4万7282の樹種のうち、少なくとも1万6425種が絶滅の危険にさらされている。これは絶滅の危機にひんしているすべての鳥類、哺乳類、は虫類、両生類の合計数の2倍以上にあたる。
地球温暖化を引き起こす化石燃料による汚染は樹木を脅かしている。汚染物質を大気中から吸収する樹木の喪失は気候危機を悪化させる。
研究者らによると、樹木が直面する主な脅威には、都市開発による森林伐採や農業、外来種、病気のほか、海面上昇や激しさを増した暴風雨も含まれる。
IUCNのアギラー事務局長は28日、このレッドリストは「樹木の喪失が他の数千の種、植物、菌類、動物を直接脅かしていることを明らかにしており、私たちの自然界がいかに深く相互に結びついているかを示している」と語った。