ハロウィーンの期間中、封鎖されることになったのは、JR渋谷駅前に立つ忠犬「ハチ公像」です。
30日は、渋谷区の委託を受けた事業者が午前6時から2時間ほどかけて作業を行い、「ハチ公像」の周りをさくで囲ったうえで、シートで覆い周囲から姿を見えないようにしました。
渋谷区は、ハロウィーンの時期に、渋谷駅周辺に大勢の若者や外国人が集まって雑踏事故や飲酒に絡むトラブルが起きることを懸念していて、ハロウィーン目的で街に来ないよう呼びかけています。
区は、ハロウィーンが終わる11月1日の朝まで渋谷のシンボルを隠すことで、大勢の人が集まるのを防ぎたいとしています。
渋谷区安全対策課の東浦幸生課長は「ハチ公像を見えなくするのは大変、心苦しい選択ですが、区としては、ハロウィーン目的で来ないでほしいと考えています。仮装して来ることも、仮装を見に来ることもやめてください」と呼びかけています。
新宿・歌舞伎町は警戒強まる“路上飲酒禁止”呼びかけ
激しい混雑が問題となっていた東京 渋谷区は去年、渋谷に来ないように呼びかけた結果、ピーク時には前の年よりおよそ8000人ほど減ったということです。
その一方で、隣の新宿 歌舞伎町はおよそ3000人増えたと推計されています。
ハロウィーンが迫った先週土曜日。新宿区の職員が歌舞伎町を視察していました。
新宿区危機管理担当部 松原清十郎副参事
「路上で酒を飲んでいる場所や人数を調査して、ハロウィーン当日、対策がとれるように統計をとっている。早めに警備員などを配置して、そこに居座らせないことで対策をとれればと思う」
路上飲酒を禁止するのは、歌舞伎町周辺のこちらのエリアです。区は、制限区域内で酒の販売自粛を要請するなど対策を強化しています。
地元の商店街も呼びかけに協力
歌舞伎町商店街振興組合 杉山元茂理事長
「予想外のことが起こってはいけないということは考えていて、韓国のイテウォン(梨泰院)の事故や明石の歩道橋事故のように、コントロールがきかない状態を作ってはいけない」
“路上飲酒禁止”どう受け止め?街の人は…
女性「ハロウィーン期間中だけでOKだと思っていて、特に違和感を感じていない」
男性「いいかどうかわからないけど、それもありかなと」
女性「(路上飲酒禁止は)いいと思う。飲める場所はほかにもたくさんあるから」
男性「路上にゴミがたくさん出たり、混乱が起きたりしないよう、
一定の制限をすることはいいアイデアだと思う」
中心部広場は“立ち入り禁止”に
区の担当者が特に警戒しているのが、中心部の広場です。
新宿区危機管理担当部 松原清十郎副参事
「ここはシネシティ広場といって人が多く集まる場所。去年はここに多くの人が集まってあふれる状況があったので、ハロウィーン当日は、もう少し高い塀を作って完全に立ち入りできないような状況にする。路上でアルコールが入ると、どうしても混雑して、大きな事故につながる。マナーを守って安全に楽しんでほしい」
池袋はルール定めた仮装イベントで地域活性化
一方、東京 池袋では26日、仮装イベントの参加者によるパレードが行われました。
「池袋ハロウィンコスプレフェス2024」は、東京 豊島区や地元商店街などが「アニメ」で地域を活性化しようと毎年、ハロウィーンの前に開催しています。
このイベントでは参加費を支払うと池袋の街なかや商業施設など指定されたエリアでコスプレを楽しむことができる一方、路上での飲酒や露出度の高い衣装での参加は禁止されるなどルールが定められています。
26日は、アニメやゲームなどのキャラクターのコスプレをしたおよそ400人によるパレードが行われ、参加した人たちは思い思いのポーズを取りながら池袋のまちを練り歩いていました。
ハロウィーンを巡っては、東京 渋谷区や新宿区で路上での飲酒やごみの放置など問題が相次いでいますが、豊島区は、これまで大きなトラブルはないとしています。
コスプレをして参加した男性は「コスプレした状態で飲酒をしてはいけないとかルールを守れる人だけが参加しているので、いいイベントになっているのかなと思います」と話していました。