日本新闻: “入学選考で人種考慮は違憲” 米最高裁の判断に波紋広がる

“入学にゅうがく選考せんこうで人種じんしゅ考慮こうりょは違憲いけん” 米べい最高裁さいこうさいの判断はんだんに波紋はもん広ひろがる

Jun 30, 2023 12:06

Furigana

アメリカの連邦れんぽう最高さいこう裁判所さいばんしょが、大学だいがくが入学にゅうがく選考せんこうで黒人こくじんなどの人種じんしゅを考慮こうりょしている措置そちは憲法けんぽう違反いはんだという判断はんだんを示しめしたことについて、人種じんしゅ差別さべつ解消かいしょうのために進すすめられてきた取り組とりくみを逆行ぎゃっこうさせるものだと批判ひはんも出でていて、連邦れんぽう最高裁さいこうさいの判断はんだんへの波紋はもんが広ひろがっています。

アメリカの連邦れんぽう最高さいこう裁判所さいばんしょは29日にち、ハーバード大学だいがくやノースカロライナ大学だいがくが入学にゅうがく選考せんこうをするうえで、黒人こくじんやヒスパニック系けいなどの人種じんしゅを考慮こうりょしている措置そちについて、法ほうの下したの平等びょうどうを定さだめた憲法けんぽうに違反いはんするという判断はんだんを示しめしました。

今回こんかいの判断はんだんは、連邦れんぽう最高裁さいこうさいが45年ねん前まえに示しめした「大学だいがくの入学にゅうがく選考せんこうで人種じんしゅを基準きじゅんの1つとすることは合憲ごうけんだ」という判断はんだんを覆くつがえした形かたちで、アメリカでは多おおくの大学だいがくで同様どうようの措置そちがとられていることから大おおきな影響えいきょうが出でることが予想よそうされます。

判断はんだんを受うけて、こうした措置そちは白人はくじんなどに対にたいする「逆ぎゃく差別さべつ」で不公平ふこうへいだと訴うったえてきた人ひとたちからは歓迎かんげいの声こえが上あがった一方いっぽうで、措置そちが必要ひつようだとする人ひとたちからは「少数しょうすう派はの声こえが社会しゃかいに反映はんえいされづらくなる」などと抗議こうぎの声こえが上あがっています。

また、バイデン大統領だいとうりょうは「アメリカにはまだ差別さべつが存在そんざいする。これによって国くにを後退こうたいさせるわけにはいかない」と述のべ、連邦れんぽう最高裁さいこうさいの判断はんだんは公民こうみん権けん運動うんどうを経へて、人種じんしゅ差別さべつ解消かいしょうのために進すすめられてきた取り組とりくみを逆行ぎゃっこうさせるものだと厳きびしく批判ひはんしました。

アメリカでは、人種じんしゅの考慮こうりょは大学だいがくの入学にゅうがく選考せんこうに限かぎらず、雇用こようや昇進しょうしんなど幅広はばひろい分野ぶんやで行おこなわれていて、今回こんかいの判断はんだんがアメリカ社会しゃかいに大おおきく影響えいきょうする可能かのう性せいもあり、波紋はもんが広ひろがっています。