天皇てんのう皇后こうごう両りょう陛下へいか 歓迎かんげいの昼食ちゅうしょく会かいに 「ガーター勲章くんしょう」贈おくられる

チャールズ国王こくおうからの招待しょうたいを受うけイギリスを訪問ほうもんしている両りょう陛下へいかは、現地げんち時間じかんの25日にち正午しょうご前まえ、ロンドン中心ちゅうしん部ぶにある宿泊しゅくはく先さきのホテルでウィリアム皇太子こうたいしの出迎でむかえを受うけられました。

そして、車くるまで王室おうしつに仕つかえる騎馬きば隊たいの司令しれい部ぶに移動いどうし、チャールズ国王こくおう夫妻ふさいらとともに歓迎かんげい式典しきてんに臨のぞまれました。

天皇てんのう皇后こうごうによる国賓こくひんとしてのイギリス訪問ほうもんは、昭和しょうわ46年ねんの昭和しょうわ天皇てんのうと香こう淳じゅん皇后こうごう、平成へいせい10年ねんの上皇じょうこうご夫妻ふさいに続つづいて3回かい目めで、天皇てんのう陛下へいかは、礼砲れいほうと君が代きみがよの演奏えんそうで歓迎かんげいを受うけたあと、儀仗ぎじょう隊たいの栄誉えいよ礼れいを受うけ、国王こくおうとともに整列せいれつした隊員たいいんを巡閲じゅんえつされました。

このあと、天皇てんのう陛下へいかは国王こくおうと、皇后こうごうさまはカミラ王妃おうひと、それぞれ同おなじ馬車ばしゃに乗のって、「ザ・マル」と呼よばれるおよそ1キロの大通おおどおりをバッキンガム宮殿きゅうでんまでパレードされました。

「ザ・マル」は、王室おうしつのパレードなどを行おこなうために20世紀せいきはじめに作つくられた特別とくべつな道路どうろで、53年ねん前まえの昭和しょうわの国賓こくひん訪問ほうもんと26年ねん前まえの平成へいせいの国賓こくひん訪問ほうもんでもこの大通おおどおりでパレードが行おこなわれました。

馬車ばしゃが通とおると沿道えんどうに詰つめかけた人ひとたちから大おおきな歓声かんせいがあがり、両りょう陛下へいかは手てを振ふって応こたえられていました。

宮殿きゅうでんに到着とうちゃくした両りょう陛下へいかは、イギリス王室おうしつのメンバーとともに歓迎かんげいの昼食ちゅうしょく会かいに臨のぞまれました。

昼食ちゅうしょく会かいのあと、チャールズ国王こくおうから天皇てんのう陛下へいかにイギリスで最高さいこう位いの勲章くんしょう「ガーター勲章くんしょう」が贈おくられたということです。

両りょう陛下へいかは夜よる再ふたたびバッキンガム宮殿きゅうでんを訪たずねて、国王こくおう夫妻ふさい主催しゅさいの晩ばんさん会かいに臨のぞまれる予定よていです。

ガーター勲章くんしょうとは

イギリス王室おうしつによりますと、ガーター勲章くんしょうは1348年ねん、当時とうじのイングランド国王こくおう、エドワード3世せいがアーサー王おう伝説でんせつの「円卓えんたくの騎士きし」にならって創設そうせつした、イギリスで最もっとも歴史れきしがある勲章くんしょうです。

勲章くんしょうの授与じゅよには騎士きし団だんの一員いちいんに加くわえるという意味いみがあり、勲章くんしょうには騎士きし団だんのモットーである「悪意あくいを抱いだく者ものに災わざわいあれ」という文字もじが中世ちゅうせいフランス語ふらんすごで書かかれています。

受章じゅしょう者しゃは君主くんしゅがみずから選えらび、イギリス王室おうしつのメンバー、大おおきな功績こうせきが認みとめられたイギリス国籍こくせきの保持ほじ者しゃ、そして外国がいこくの君主くんしゅなど、3つに分類ぶんるいされます。

このうちイギリス国籍こくせきの保持ほじ者しゃとしては、これまでチャーチル元もと首相しゅしょうやサッチャー元もと首相しゅしょうなどが受章じゅしょうし、現在げんざいはメージャー元もと首相しゅしょうやブレア元もと首相しゅしょうなどが名前なまえを連つらねています。

また、外国がいこく籍せきでは現在げんざいノルウェー、スウェーデン、デンマーク、オランダ、スペイン、そして日本にっぽんの6か国かこくの合あわせて8人にんの君主くんしゅなどが受章じゅしょうしています。

原則げんそくとしてキリスト教きょう国こくの君主くんしゅなどが対象たいしょうですが、日本にっぽんは日にち英えい同盟どうめいの締結ていけつをきっかけに1906年ねん、明治めいじ天皇てんのうが初はじめて受章じゅしょうしたあと、1912年ねんに大正たいしょう天皇てんのうが、1929年ねんに昭和しょうわ天皇てんのうが受章じゅしょうしました。

このうち昭和しょうわ天皇てんのうは第だい2次じ世界せかい大戦たいせんを理由りゆうに1941年ねんに受章じゅしょうを剥奪はくだつされ、その後そのご、1971年ねんのイギリス訪問ほうもんの際さいに回復かいふくされました。

また、上皇じょうこうさまは在位ざいい中ちゅうの1998年ねんに受章じゅしょうされました。

この際さい、当時とうじのエリザベス女王じょおうの夫おっと、フィリップ殿下でんかが第だい2次じ世界せかい大戦たいせんで日本にっぽん軍ぐんの捕虜ほりょになった元もと兵士へいしなどの反対はんたいを背景はいけいに難色なんしょくを示しめしたと報ほうじられ、フィリップ殿下でんかがみずからそうした報道ほうどうを否定ひていする声明せいめいを出だす事態じたいとなりました。

ロンドン郊外こうがいのウィンザー城じょうでは毎年まいとし6月つき、敷地しきち内ないのセントジョージ礼拝れいはい堂どうでガーター勲章くんしょうの受章じゅしょう者しゃによる式典しきてんが行おこなわれ、受章じゅしょう者しゃは勲章くんしょうをつけ、マントを羽織はおった正装せいそう姿すがたで音楽おんがく隊たいや衛兵えいへいとともに礼拝れいはい堂どうまで行進こうしんします。

インスタグラム 宮内庁くないちょうがイギリス王室おうしつと相互そうごフォロー

宮内庁くないちょうによりますと、イギリスの首都しゅとロンドンで国賓こくひんとして訪問ほうもんされている天皇てんのう皇后こうごう両りょう陛下へいかの歓迎かんげい行事ぎょうじが行おこなわれた現地げんち時間じかんの25日にち午後ごご、ことし4月つきから運用うんようが始はじまったインスタグラムの宮内庁くないちょう公式こうしきアカウントがイギリス王室おうしつの公式こうしきアカウントと相互そうごフォローを始はじめました。

宮内庁くないちょうの公式こうしきアカウントと外国がいこく王室おうしつの公式こうしきアカウントとの相互そうごフォローは、オランダ王室おうしつ、ルクセンブルグ王室おうしつ、スペイン王室おうしつに次ついで4回かい目めです。

バッキンガム宮殿きゅうでんの前まえにいた人々ひとびとは

国賓こくひんとして訪問ほうもんされている天皇てんのう皇后こうごう両りょう陛下へいかの歓迎かんげい行事ぎょうじが始はじまるのを前まえに、バッキンガム宮殿きゅうでんの前まえで聞ききました。

イギリス在住ざいじゅうの40代だいの日本人にっぽんじん女性じょせいは、「天皇てんのうの国賓こくひんとしての訪問ほうもんは、めったにない、30年ねんに1度どくらいの機会きかいと聞きいて、たまたま居いてラッキーなので、ぜひ見みたいと思おもって来きました。イギリスに親したしさを感かんじている日本人にっぽんじんは多おおいと思おもうので、今回こんかいの訪問ほうもんによってさらにそれが深ふかまって両国りょうこくの友好ゆうこう関係かんけいが強つよくなってほしいです」と話はなしていました。

60代だいのイギリス人じん男性だんせいは、「両りょう陛下へいかの訪問ほうもんはとてもすばらしいことです。外国がいこくの要人ようじんがロンドンに来きて、最高さいこうのロンドンを見みてもらえることはうれしいことです」と話はなしていました。

また、30代だいのカナダ人じん男性だんせいは、「天皇てんのう陛下へいかと皇后こうごうさま、おふたりを見みることができるのは、楽たのしみです。華はなやかな雰囲気ふんいきを楽たのしみたいです」と話はなしていました。