男子110メートルハードルで村竹ラシッド選手が、女子100メートルハードルで福部真子選手が優勝し、いずれもパリオリンピックの代表に内定しました。
女子800メートルでは、注目の高校2年生、久保凛選手。サッカーの久保建英選手のいとこが中長距離のエース、田中希実選手などを抑え、初優勝しました。
陸上の花形種目、男子100メートルは、トップで決勝に進んだ坂井隆一郎選手が優勝しました。
NHKでは総合テレビで午後4時半から中継し、NHKプラスでも配信しています。
男子110mハードル 村竹ラシッドがパリ五輪内定
男子110メートルハードルの決勝で、すでに参加標準記録を突破しているしました。
【決勝 結果】男子110mハードル(参加標準記録 13秒27)
▽2.高山 峻野 13.31
▽3.横地 大雅 13.39
▽4.阿部 竜希 13.41
▽5.野本 周成 13.43
▽6.石川 周平 13.47
▽7.藤井 亮汰 13.48
▽8.町 亮汰 13.55
◇村竹ラシッド(むらたけ・らしっど)選手
陸上男子110メートルハードルの村竹ラシッド選手は、千葉県出身の22歳。トーゴ人の父と日本人の母の間に生まれ、力強い走りが持ち味です。19歳だった2021年に東京オリンピックの代表選考を兼ねた日本選手権の予選で当時のオリンピックの参加標準記録を突破する13秒28をマークして注目されましたが、決勝ではフライングで失格となりオリンピック出場を逃しました。
その後はパリ大会出場を目標に世界の舞台でも経験を積んできましたが去年はシーズン序盤に肉離れをおこすなどけがに悩まされました。それでも、しました。村竹選手は、初めてのオリンピックとなるパリ大会に向けては「勝つことだけを考えている」と闘志を燃やしていました。
女子100mハードル 福部真子が優勝 パリ五輪内定
女子100メートルハードルの決勝で日本記録保持者のしました。
福部選手は、29日の準決勝で12秒75の好タイムをマークしパリオリンピックの参加標準記録を突破していたため、優勝が代表内定の条件でした。福部選手は初めてのオリンピック代表内定です。
【決勝 結果】女子100mハードル(参加標準記録 12秒77)
▽2.田中 佑美 12.89
▽3.寺田 明日香 12.91
▽4.大松 由季 13.15
▽5.清山 ちさと 13.17
▽6.紫村 仁美 13.21
▽7.中島 ひとみ 13.23
▽8.芝田 愛花 13.29
◇福部真子(ふくべ・まこ)選手
陸上、女子100メートルハードルの福部真子選手は、広島県出身の28歳でです。小学生のころに陸上を始め、100メートルハードルでは高校生時代に全国高校総体を3連覇し注目されました。
大学卒業とともに競技を引退することも考えたといいますが、4年生で自己ベストを更新したことをきっかけに競技を続けることを決め、2022年の世界選手権では準決勝に進出しました。さらに同じ年の国内の大会で12秒73の日本記録をマークしました。しかし、去年の日本選手権では上位4人が12秒台のタイムをマークするレースの中で4位に終わり、世界選手権出場を逃しました。
この悔しさを糧に今シーズンは、体脂肪を減らすなど肉体改造にも取り組み、今大会の準決勝では自身が持つ日本記録に0秒02に迫る12秒75をマークしパリオリンピックの参加標準記録を突破していました。
女子800m 高校2年生 久保凛が初優勝 田中希実など抑え
女子800メートルの決勝でしました。
東大阪大敬愛高校2年の久保選手は、サッカー日本代表の主力、久保建英選手のいとこで、1年生で出場した去年の全国高校総体の800メートルで優勝し、ことしは、日本のトップ選手も参加した国内の大会でも優勝するなど急成長を遂げる注目の選手です。
初出場の日本選手権では29日の800メートル予選を全体トップのタイムで通過し、30日の決勝では、終盤のスパート勝負で中長距離のエース、田中希実選手などを引き離し、自己ベストとなる2分3秒13の好タイムで初優勝しました。この種目で高校生が優勝するのは8年ぶりです。
この大会で5レース目となった田中選手は2分5秒14のタイムで7位でした。
【決勝 結果】女子800m(参加標準記録 1:59.30)
▽2.卜部 蘭 2:04.26
▽3.渡辺 愛 2:04.33
▽4.塩見 綾乃 2:04.70
▽5.池崎 愛里 2:04.80
▽6.川田 朱夏 2:05.06
▽7.田中 希実 2:05.14
▽8.広田 有紀 2:06.91
男子800m 高校3年生 落合晃が初優勝
男子800メートルは予選で日本記録に迫るタイムをマークしたしました。
落合選手は、滋賀学園の高校3年生で、29日の800メートルの予選で日本記録まで0秒07に迫る1分45秒82の好タイムをマークして、20歳以下の日本記録を更新しました。30日の決勝ではスタート直後から先頭でレースを引っ張って、そのまま逃げ切り、1分46秒56のタイムで初優勝を果たしました。この種目で高校生が優勝するのは5年ぶりです。
【決勝 結果】男子800m(参加標準記録 1:44.70)
▽2.川元 奨 1:47.66
▽3.四方 悠瑚 1:47.94
▽4.石井 優吉 1:47.99
▽5.岡村 颯太 1:48.02
▽6.佐藤 主理 1:48.23
▽7.早川 龍斗 1:48.45
▽8.前田 陽向 1:48.70
男子400m 佐藤拳太郎が決勝を棄権
男子400メートルの日本記録保持者、佐藤拳太郎選手がコンディション不良のため、30日に出場予定だった決勝のレースを棄権しました。佐藤選手は前日の予選では、左足にテーピングをして出場していて、レースのあと左のアキレス腱に痛みがあると話していました。
佐藤選手は、すでにパリオリンピックの参加標準記録を突破していて、この大会で優勝すれば代表内定が決まることになっていました。
《大会4日目 結果》
【決勝 結果】女子200m(参加標準記録 22秒57)
▽2.鶴田 玲美 23.20
▽3.高橋 亜珠 23.79
▽4.青野 朱李 23.88
▽5.御家瀬 緑 23.92
▽6.壹岐 あいこ 24.09
▽7.佐藤 葵唯 24.29
▽8.松本 奈菜子 29.08
【決勝 結果】女子400mハードル(参加標準記録 54秒85)
▽2.梅原 紗月 57.38
▽3.松岡 萌絵 57.61
▽4.益子 芽里 58.07
▽5.南澤 明音 58.26
▽6.大久保 光 58.65
▽7.辻井 美緒 58.73
▽8.宇都宮 絵莉 59.01
【決勝 結果】女子 砲丸投げ(参加標準記録18m80)
▽2.大迫 晴香 15m45
▽3.大野 史佳 15m28
▽4.尾山 和華 14m84
▽5.田中 杏実 14m46
▽6.今西 あかり 14m30
▽7.日夏 涼香 14m12
▽8.坂 ちはる 14m11
▽9.菊池 聖奈 14m07
▽10.奥山 琴未 14m03
▽11.中原 鈴 13m95
▽12.吉沢 花菜 13m94
▽13.松下 ちひろ 13m78
▽14.秋山 愛莉 13m65
▽15.廣島 愛亜梨 13m46
▽16.谷口 梨瑠 13m23
▽17.三田 樹梨香 12m46
▽18.大谷 夏稀 12m10
《大会4日目 注目は》
男子100m 決勝(参加標準記録 10秒00)
陸上の花形種目、男子100メートルは、去年の世界選手権で決勝に残ったサニブラウン選手がすでに代表に内定していて、日本勢に残された枠はあと2つです。参加標準記録の10秒00を突破しての優勝が条件となる、オリンピック代表内定を目指します。オリンピックではメダル獲得をねらう400メートルリレーの代表を選ぶ上でも重要なレースとなります。
▽坂井 隆一郎 10.11
▽東田 旺洋 10.16
▽デーデー ブルーノ 10.18
▽柳田 大輝 10.20
▽桐生 祥秀 10.20
▽和田 遼 10.21
▽鈴木 涼太 10.22
▽山本 匠真 10.24
女子100mハードル 決勝(参加標準記録 12秒77)
前日の準決勝で、日本記録保持者の福部真子選手が12秒75の好記録をマークしました。パリオリンピックの参加標準記録、12秒77を突破したため、30日の決勝で優勝すれば、初めてのオリンピック代表に内定します。
去年のアジア大会で銅メダルを獲得した25歳の田中佑美選手、東京オリンピック代表で、元日本記録保持者の寺田明日香選手も決勝に進んでいます。
女子走り幅跳び 決勝(参加標準記録 6m86)
去年7月のアジア選手権で6メートル97センチの自己ベストと17年ぶりとなる日本記録の更新を果たした秦澄美鈴選手。この記録は東京オリンピックの金メダリストの記録にあと3センチに迫るものでした。その後は得意としていた踏み切りに違和感を感じ、国際大会では結果を残せない日々が続いていましたが、5月の国内の大会で6メートル72センチと好記録をマークし復調を感じさせました。日本選手権4連覇を果たせば、オリンピックへの切符をつかむことができます。
男子走り高跳び(参加標準記録 2m33cm)
▽赤松諒一選手(2m30cm)
▽真野友博選手(2m31cm)
去年の世界選手権で8位に入賞した赤松選手は、参加標準記録を突破した時点で代表内定となりますが、その記録は自己ベストを3センチ上回る、厳しいものです。真野選手もおととしの世界選手権で8位に入賞していて、自己ベストでは赤松選手を1センチ上回っていて、2人とも勝負だけでなく記録との戦いとなります。
女子800m 決勝 (参加標準記録1:59.30)
注目の高校2年生、久保凛選手。サッカーの久保建英選手のいとこで、ことしはシニアの大会でも優勝するなど急成長を遂げる注目の若手です。前日の予選では田中希実選手と同じ組で競り勝ち、全体トップで決勝に進んでいます。すでに1500メートルと5000メートルで代表に内定している田中選手との争いに注目です。
また、地元・新潟市出身の広田有紀選手。研修医というもう1つの顔を持ついわば“二刀流”の選手も決勝に臨みます。
《4日目 競技予定》
【トラック競技】
★16:40 女子 400mH 決勝
★16:55 女子 800m 決勝
★17:05 男子 800m 決勝
★17:20 女子 200m 決勝
★17:35 男子 400m 決勝
★17:50 女子 100mH 決勝
★18:10 男子 110mH 決勝
★18:25 男子 100m 決勝
【跳躍競技】
★15:30 男子 走高跳 決勝
★16:10 女子 走幅跳 決勝
【投てき競技】
★14:45 女子 砲丸投 決勝
★17:00 男子 砲丸投 決勝
☆五輪の内定条件は
があります。
◆すでに参加標準記録を突破している選手
=今大会の優勝が条件
◆去年の世界選手権で入賞している選手
=今大会の順位に関係なく参加標準記録を満たした時点で内定
ただ、この条件を満たせなくても、世界ランキングなどで日本選手権のあとに代表に内定する可能性は残されています。それでも今大会でなるべく高い順位に入ることが重要になります。
NHK放送予定(30日)
【総合】午後4:30~午後6:45