福岡ふくおか 商業しょうぎょう施設しせつで殺害さつがいされた女性じょせいの母親ははおや 元もと少年しょうねんに思おもい伝つたえる

2020年ねん8月つき、福岡ふくおか市し中央ちゅうおう区くの商業しょうぎょう施設しせつで買い物かいものに訪おとずれていた、当時とうじ21歳さいの女性じょせいが刃物はもので刺さされ殺害さつがいされた事件じけんでは、当時とうじ15歳さいで少年しょうねん院いんを仮かり退院たいいんしたばかりだった元もと少年しょうねん（19）が、殺人さつじんなどの罪つみに問とわれ、懲役ちょうえき10年ねんから15年ねんの不ふ定期ていき刑けいが確定かくていしました。

裁判さいばんで元もと少年しょうねんは、遺族いぞくへの気持きもちを聞きかれた際さい、「謝罪しゃざいがどういうことか分わからない」などと答こたえていました。

この事件じけんで亡なくなった女性じょせいの母親ははおやが、刑務所けいむしょの職員しょくいんを介かいして被害ひがい者しゃや遺族いぞくの心情しんじょうを加害かがい者しゃに伝つたえる新あらたな制度せいどを利用りようしたことが、母親ははおや側がわの弁護士べんごしなどへの取材しゅざいでわかりました。

それによりますと、6月つき27日にちに、元もと少年しょうねんが収容しゅうようされている刑務所けいむしょの「被害ひがい者しゃ担当たんとう官かん」と呼よばれる職員しょくいんが福岡ふくおか県けんを訪おとずれ、およそ4時間じかん半はんにわたって母親ははおやから心情しんじょうを聴きき取とりました。

この中なかで、母親ははおやは娘むすめの人柄ひとがらや人生じんせいを語かたり、夢ゆめや希望きぼうを奪うばわれた悔くやしい気持きもちを述のべたうえで、「私わたしの話はなしに真正面まっしょうめんから逃にげずに向き合むきあって、謝罪しゃざいの意味いみを必かならず答こたえてほしい」などと思おもいを伝つたえ、元もと少年しょうねんがどう受け止うけとめたか知しらせるよう依頼いらいしたということです。

去年きょねん12月つきに始はじまったこの制度せいどは、被害ひがいを受うけた人ひとの心こころの回復かいふくなどを図はかるとともに、加害かがい者しゃに反省はんせいを促うながし、立ち直たちなおりや再犯さいはん防止ぼうしにつなげるねらいがあります。

母親ははおやは、聴きき取とりのあとNHKの取材しゅざいに応おうじ。「元もと少年しょうねんには、事件じけんや自分じぶんがやってきたことを振り返ふりかえってもらいたい。謝罪しゃざいのことばが出でてきてほしい」と話はなしていました。

母親ははおやの代理人だいりにん「思おもい届とどけてくれると制度せいどの意味いみあるのでは」

母親ははおやの代理人だいりにんの弁護士べんごしは「被害ひがい者しゃの苛烈かれつな感情かんじょうをぶつける側面そくめんもあるが、被害ひがい者しゃのことばの奥深おくふかくには、もう二度にどと被害ひがい者しゃを出だしたくない、理不尽りふじんな被害ひがいに遭あう人ひとが出でてほしくないという気持きもちが必かならずある。加害かがい者しゃの内面ないめんの奥深おくふかくに、わずかでも残のこっている善意ぜんいや人ひととしての感情かんじょうに届とどくように、刑務所けいむしょの職員しょくいんが被害ひがい者しゃの思おもいを届とどけてくれると、制度せいどの意味いみがあるのではないか」と話はなしていました。