江藤農林水産大臣は「この落札の平均価格から考えると、備蓄米の販売価格は、現在の店頭価格よりかなり低い価格になるだろう。これだけの量がマーケットに出れば、当然、需給は一定程度改善されて、消費者にもご理解頂けるような結果が生まれるのではないかと期待している」と述べました。
また、2回目の備蓄米の入札について、もともと放出予定だった6万トンと、今回落札されなかった8000トンなどをあわせた合計7万トンで、今月中に実施できるよう、準備を急いでいることを明らかにしました。
2回目の入札の対象となる備蓄米については、来月中旬ごろから順次、業者に引き渡せる見込みだとしています。
初回の入札で販売は41品種
初回の入札で販売される備蓄米は、あわせて41品種あります。
五十音順では、あいちのかおり、あきさかり、あきたこまち、あきだわら、アケボノ、あさひの夢、えみまる、おぼろづき、風さやか、きぬむすめ、きらら397、こしいぶき、コシヒカリ、彩のかがやき、彩のきずな、ササニシキ、そらきらり、大地の風、つきあかり、つや姫、てんこもり、てんたかく、天のつぶ、とちぎの星、ななつぼし、にじのきらめき、はえぬき、ハツシモ、ハナエチゼン、ひとめぼれ、ふさこがね、ふっくりんこ、ほしじるし、ほしのゆめ、まっしぐら、まなむすめ、ゆきん子舞、ゆめおばこ、夢つくし、ゆめぴりか、ゆめみづほ、となっています。
家庭向けはブレンド米で販売 大手卸売各社
政府が放出する備蓄米はどのように販売されるのか。
コメの大手卸売各社は家庭向けについて複数の品種を混ぜたブレンド米として販売することにしています。
政府が放出する備蓄米は、落札した集荷業者から卸売業者に販売され、今月下旬以降、スーパーの店頭などに並ぶ見通しです。
コメをスーパーなどに出荷する大手卸売各社によりますと、家庭向けについては複数の品種のほか、令和6年産と5年産を混ぜるなどしたブレンド米として販売するということです。
今回放出される備蓄米は、去年とおととしに収穫されたもので、品種は「コシヒカリ」や「はえぬき」などあわせて41にのぼることから各社とも単一の品種で販売することは難しいとしています。
また精米や包装の作業を迅速に進めるためにも、備蓄米を使用しているかを米袋などに記載する予定は今のところないということです。
その上で販売価格について、一般的にブレンド米は特定の産地や品種のコメより割安になることが多いため、現在よりもいくぶん安く販売されるのではないかとしています。
木徳神糧米穀事業本部の今野稔副本部長は「家庭用も業務用もコメが不足しているという声は取引先から多く聞かれているので、備蓄米に期待している。消費者に早く手に取ってもらえるよう供給していきたい」と話していました。
牛丼チェーン各社 備蓄米活用を検討
入札が行われた政府の備蓄米について、大手牛丼チェーン各社では、商品の安定供給に向けて、備蓄米の活用を検討する意向を示しています。
このうち、松屋フーズホールディングスは去年5月から、国産米と外国産米のブレンド米の利用を始め、現在、全国の多くの店舗で提供しています。
会社では今後も商品の安定供給を続けるため、備蓄米の活用を検討していきたいとしています。
また、吉野家ホールディングスは「備蓄米の放出は歓迎していて、商流次第ではあるが、品質や価格のバランスを見て検討や判断をしたい」としているほか、ゼンショーホールディングスは「選択肢の1つとして検討していて、品質に合う銘柄が出てくれば、採用を検討したい」としています。