政府の備蓄米は先週、初回の入札が終わり、対象となった15万トンのうち、9割以上にあたる14万トン余りが落札されました。
落札した業者に備蓄米を引き渡す作業が18日から始まり、このうち埼玉県内にある倉庫では18日午前、JA全農=全国農業協同組合連合会が落札した去年産のコシヒカリ12トンを受け取りました。
倉庫では担当者がフォークリフトを使って30キロのコメ袋を積み上げた状態でトラックの荷台に次々と載せていきました。
引き渡された備蓄米は今後、同じ県内にある工場で精米と袋詰めが行われるということです。
JA全農では落札した備蓄米について取り引きの実績がある卸売業者に販売することにしています。
この際、消費者や流通に混乱が生じないようにするため、卸売業者に対して店頭で販売する際には「備蓄米」と表記しないよう要請しています。
実際にスーパーなどの店頭に並ぶのは来週以降になる見通しで、備蓄米の放出によって高騰が続くコメの価格がどのように変化するかが焦点になっています。
江藤農相「流通正常化を期待」
農林水産省によりますと、全国のスーパーおよそ1000店でのコメの平均価格は今月9日までの1週間で5キロ当たり税込みで4077円と、政府の備蓄米の放出が発表されたあとも上昇が続いています。
こうした状況について、江藤農林水産大臣は、18日の閣議のあとの会見で「消費者の方々には苦労をかけていると思う。備蓄米はきょう引き渡しが始まり、卸売業者に渡るまで少し時間があるので、政策効果として価格にまだ反映されていないことをご理解いただきたい」と述べました。
そのうえで「今週中には追加の7万トン放出を発表する予定だ。需給が安定し、流通が正常化して落ち着きを取り戻すことを期待している」と述べ、2回目の備蓄米の放出も含めて、流通や価格が安定することに期待を示しました。
また、3回目の入札を判断するタイミングについて問われたのに対し、江藤大臣は「しばらく様子を見ることになると思う。効果を補完する意味でも追加することは当然必要だが、いつごろ判断するということを今の段階で申し上げることは難しい」と述べました。