香かおりつき電子でんしたばこ 販売はんばい禁止きんしへ ニューヨーク市し

こうした事態じたいを受うけてニューヨーク市しの議会ぎかいは26日にち、市内しないで香かおりつきの電子でんしたばこの販売はんばいを禁止きんしする条例じょうれいを可決かけつしました。

電子でんしたばこはニコチンや香かおりの成分せいぶんを含ふくむ液体えきたいなどを電気でんきで蒸発じょうはつさせて吸すうもので、アメリカでは若者わかものを中心ちゅうしんに人気にんきが高たかまっています。

この条例じょうれいはこれ以上いじょう健康けんこう被害ひがいが広ひろがるのを防ふせぐとともに、未み成年せいねんが果物くだものやハッカなどの香かおりがついた製品せいひんをきっかけにして電子でんしたばこを吸すい始はじめるのを防ふせぐのが目的もくてきだということです。

電子でんしたばこをめぐってはこれまでに一部いちぶの州しゅうなどで香かおりつき電子でんしたばこ製品せいひんを一時いちじ的てきに販売はんばい禁止きんしにする命令めいれいが出だされていますが、販売はんばい者しゃの訴うったえを受うけて裁判所さいばんしょで販売はんばい禁止きんしが差し止さしとめられるケースも出でています。

また、カリフォルニア州しゅうなどは大手おおて電子でんしたばこメーカーに対にたいし、危険きけん性せいについて十分じゅうぶんに説明せつめいをしなかったり、未み成年せいねんに販売はんばいしたりしたとして罰金ばっきんの支払しはらいや宣伝せんでんの停止ていしを求もとめる訴訟そしょうを起おこすなど、全米ぜんべいに影響えいきょうが広ひろがっています。

たばこ店てんからは不満ふまんの声こえ

ニューヨーク市しのたばこ店てんからは不満ふまんの声こえがあがっています。

ニューヨーク・マンハッタンのたばこ店てんでは、従来じゅうらいの紙巻かみまきたばこや葉巻はまきとともに、多おおくの電子でんしたばこ製品せいひんが並ならんでいます。

中なかでも、人気にんきがあるのは香かおりつきの電子でんしたばこで、ハッカの香かおりのものやリンゴやスイカなど果物くだものの香かおり、それにパンケーキやドーナツの香かおりといったものまで販売はんばいされています。

このたばこ店てんを経営けいえいするアイマン・アウシュガさんによりますと、店みせの売り上うりあげの70％はこうした香かおりつき電子でんしたばこ製品せいひんだということで、客きゃくの中なかには禁止きんしを見越みこしてまとめ買まとめがいをする人ひともいるということです。

アウシュガさんは「健康けんこう被害ひがいを起おこしているのは店みせで売うられている商品しょうひんではなく、私わたしの店みせでは法律ほうりつで禁止きんしされた年齢ねんれい以下いかの若者わかものには販売はんばいしていないので一律いちりつの禁止きんしに意味いみがあるとは思おもえない。店みせの経営けいえいにとって深刻しんこくな問題もんだいだ」と話はなしていました。

トランプ政権せいけん 販売はんばい禁止きんしの方針ほうしんも再さい検討けんとうか

トランプ政権せいけんはことし９月くがつ、若者わかものの間まで特とくに人気にんきの高たかい香かおりつきの電子でんしたばこの販売はんばいを禁止きんしする方針ほうしんを打ち出うちだしました。

しかし、その後そのご、明確めいかくな措置そちは打ち出うちだしておらず、アメリカメディアは、来年らいねんの大統領だいとうりょう選挙せんきょへの影響えいきょうを考慮こうりょし、禁止きんしする範囲はんいを再さい検討けんとうしていると伝つたえています。

連邦れんぽう政府せいふには電子でんしたばこに対にたいする明確めいかくな規制きせいはありませんが、健康けんこう被害ひがいについて調しらべているアメリカの研究けんきゅう機関きかんによりますと、カリフォルニア州しゅうやニューヨーク州しゅうなど９ここのつの州しゅうで電子でんしたばこの販売はんばいが禁止きんしされたり使用しように年齢ねんれい制限せいげんが設もうけられたりしています。

しかし、この９ここのつの州しゅうすべてで規制きせいを不当ふとうだとする訴訟そしょうが起おこされており、一部いちぶの州しゅうでは裁判所さいばんしょの仮かり差し止さしとめ命令めいれいが出だされるなどして規制きせいが効力こうりょくを失うしなっている状態じょうたいになっています。

アメリカでは、電子でんしたばことの関連かんれんが疑うたがわれる呼吸こきゅう器き系けいの病気びょうきが相次あいついで報告ほうこくされているため、保健ほけん当局とうきょくも病気びょうきの原因げんいんが解明かいめいされるまですべての電子でんしたばこの使用しようを控ひかえるべきだとする認識にんしきを示しめしており、トランプ政権せいけんの対応たいおうに注目ちゅうもくが集あつまっています。