札幌で実施する東京オリンピックのマラソンと競歩について、組織委員会は4日、スイスで開かれたIOC理事会で準備状況を報告しました。
報告のあと、組織委員会の森会長と武藤事務総長が取材に応じました。それによりますと、マラソンと競歩の発着点について、札幌市中心部の「大通公園」とすることが理事会で承認されたということです。
一方、焦点となっているマラソンのコースは、2周の周回コースとしたい大会組織委員会と6周にこだわる国際競技団体との間で、協議が続けらてきましたが、北海道マラソンのコースをベースに20キロのコースを1周目に設定することで国際競技団体と合意したということです。
ただ、2周目以降は引き続き協議し、今月中旬までに結論を出す予定だとしています。
また、競技日程は従来の計画を変更し、8月6日から大会最終日の9日までの4日間に集中させることに決まったということです。
具体的には8月6日が男子20キロ競歩で午後4時半スタート、7日は男子50キロ競歩が午前5時半スタート、女子20キロ競歩が午後4時半スタート、8日が女子マラソンで午前7時スタート、9日が男子マラソンで午前7時スタートとなりました。
2周か6周で選手への影響は?
札幌で行われるマラソンの周回コースが「2周か6周か」によって選手への影響はあるのか。
日本陸上競技連盟で選手強化を担当する河野匡長距離・マラソンディレクターは「影響はない」という見方を示しています。
河野ディレクターは周回コースが「2周か6周か」による選手への影響について、6周の場合、レース前の「試走」の距離が短くなることなどの可能性をあげたうえで、「6周であれば試走がしやすく、また、沿道に多くの人が集まる中で走ることが出来ると考えられるかもしれない。ただ、選手はそういったことをあまり考えていない。42.195キロが減るわけでも増えるわけでもない」と話し、選手への影響は「ない」と言い切りました。
また、「コースによって選手に得意、不得意がある可能性はゼロではないだろうが、選手はどんなコースであっても決まったところで対策を取っていくものであくまで受け身だ。選手が思っているのは、“早く決めればいいのに”ということではないか」と話しました。