ボクシングの元ヘビー級王者マイク・タイソンと、ソーシャルメディアのインフルエンサーからボクサーに転じたジェイク・ポールが15日夜、プロの試合で対戦し、ポールが3-0の判定で勝利した。
テキサス州アーリントンのAT&Tスタジアムで開催された待望の試合には7万2300人のファンが詰めかけた。ポールは試合の大半を支配して全員一致の判定勝ちを収め、タイソンを破った6人目のボクサーとなった。
試合後はタイソンを称賛し、「彼はGOAT(史上最高)。尊敬しているし、刺激を受けている。彼がいなければ二人は今日ここにいない。この人物はアイコン(象徴)で、彼と戦えるのは光栄でしかない」と語った。
試合の序盤はかなり単調な展開で、両者とも相手のスタイルに慣れようとしていた。
タイソンは第3ラウンドで攻勢をかけ、前半で優位に立つものの、持ち直したポールに有効打を数発浴びた。
58歳のタイソンが試合を通じて初めて疲労の兆しを見せたのもこの時だった。
その後はポールが試合を支配し続け、コンビネーションやジャブを打ち込んでいく。タイソンも後半のラウンドで力を振り絞るが、相手にとっての真の脅威とはならなかった。
試合後のタイソンには、年齢に関係なく最終ラウンドまで戦えることを世界に証明できたと思うかとの質問が飛んだ。
これに対しタイソンは、「誰かに何かを証明したのではなく、ただ自分のためだった。自分は世界を楽しませようというタイプの人間ではない。やれることをやるだけで満足だ」と答えた。