猛毒もうどくグモを捕つかまえて、血清供給けっせいきょうきゅうの爬虫類園はちゅうるいえんが住民じゅうみんに協力要請きょうりょくようせい　豪ごう

もしも巨大きょだいなジョウゴグモが卵嚢らんのう（らんのう）の上うえに座すわる姿すがたを見みかけたら、クモと卵たまごの両方りょうほうを容器ようきに入いれて捕つかまえてほしい――。オーストラリアのニューサウスウェールズ州しゅうにある爬虫はちゅう（はちゅう）類園るいえんが、近郊きんこうのシドニーの住民じゅうみんにそんな呼よびかけを行おこなっている。

ジョウゴグモはシドニー周辺しゅうへんに生息せいそくする種たねの中なかで最もっとも危険きけんな毒どくグモで、抗毒血清こうどくけっせいがなかった１９８１年以前ねんいぜんは１３人にんがジョウゴグモにかまれて死亡しぼうしていた。血清けっせいができてからは死者ししゃは出でていない。

オーストラリア爬虫類園はちゅうるいえんはジョウゴグモの繁殖はんしょくシーズンが始はじまる１１月がつに合あわせて、人命じんめいを救すくうためクモの捕獲ほかくに協力きょうりょくしてほしいと呼よびかけた。

ジョウゴグモの抗毒血清こうどくけっせいを供給きょうきゅうしているのは同爬虫類園どうはちゅうるいえんのみ。血清けっせいは採集さいしゅうしたクモからつくられる。

「薬瓶くすりびん１本分ぽんぶんの血清けっせいを作つくるためには１５０匹ぴきほどのクモが要ようる。需要じゅように応おうえられる分量ぶんりょうの毒どくを確保かくほするため、我われわれ々は一般いっぱんの協力きょうりょくを必要ひつようとしている」。同園どうえんクモ飼育員しいくいんのエマ・テニさんはそう解説かいせつする。

クモは葉はが生おい茂しげった涼すずしく湿しめった場所ばしょを好ここのむ。家周いえしゅうりでも洗濯物せんたくぶつの山やまや放置ほうちされた靴くつの中なか、プール、庭にわなどにいることがある。

テニさんはＳＮＳに掲載けいさいした動画どうがの中なかで、スプーンを使つかって慎重しんちょうにジョウゴグモをすくい、容器ようきの中なかに入いれるやり方かたを紹介しょうかいしている。「１回かいの動作どうさでクモと卵嚢らんのうを容器ようきに入いれてほしい。メスを怒いからせないよう慎重しんちょうに。怒いからせれば卵嚢らんのうを壊こわしてしまうので」

１個この卵嚢らんのうにはクモの子こが１５０～２００匹ぴきほど詰つまっており、抗毒血清こうどくけっせいの貴重きちょうな原料げんりょうとなる。捕つかまえたクモは各所かくしょに設もうけた同園どうえんの回収所かいしゅうしょに持もち込こむことができる。