「終末しゅうまつの魚さかな」リュウグウノツカイ、カリフォルニアの海岸かいがんにまた漂着ひょうちゃく

不吉ふきつな出来事できごとの前兆ぜんちょうともいわれる深海魚しんかいぎょ「リュウグウノツカイ」の死骸しがいが米べいカリフォルニア州しゅうの海岸かいがんに打うち上あげられているのが見みつかった。同州どうしゅうで発見はっけんされたのは過去かこ３カ月げつで３回目かいめ。この１００年ねんではわずか２２回かいにとどまる。

体長約たいちょうやく２．７メートルのリュウグウノツカイの死骸しがいは今月こんげつ６日むいか、同州どうしゅうエンシニタスの海岸かいがんでカリフォルニア大学だいがくサンディエゴ校こうの研究者けんきゅうしゃが発見はっけんした。死骸しがいは米海洋大気局べいかいようたいききょく（ＮＯＡＡ）が回収かいしゅう。冷凍れいとうしてさらに詳くわしい調査ちょうさを予定よていしている。

日本にっぽんには、深海しんかいに生息せいそくするリュウグウノツカイが浅瀬あさせに現あらわれると地震じしんや津波つなみが起おきるという言いい伝つたえがある。

東日本大震災ひがしにっぽんだいしんさいの前年ぜんねんの２０１０年ねんには、十数匹じゅうすうびきが日本にっぽんの沿岸部えんがんぶで発見はっけんされていた。

一説いっせつには地震じしんに先立さきだつ地殻変動ちかくへんどうでリュウグウノツカイが死しに、地震発生じしんはっせいの直前ちょくぜんに海岸かいがんに打うち上あげられるという説せつもある。しかし１９年ねんの研究けんきゅうによると、リュウグウノツカイの目撃情報もくげきじょうほうと日本にっぽんの地震じしんの発生はっせいに因果関係いんがかんけいはないことが分わかった。

「終末しゅうまつの魚さかな」とも呼よばれるリュウグウノツカイを人ひとが目めにすることはめったになく、最大さいだいで９００メートルの深海しんかいの生態系せいたいけいはまだ分わからないことが多おおい。

今回こんかいの標本ひょうほんを調しらべれば、リュウグウノツカイの生物学的せいぶつがくてき、解剖学的かいぼうがくてき、遺伝子的いでんしてきな特徴とくちょうや生態せいたいなどについて多おおくのことが分わかるだろうと研究者けんきゅうしゃは期待きたいする。

カリフォルニア州しゅうでは８月がつにもサンディエゴの海岸近かいがんちかくで、体長約たいちょうやく３．６メートルのリュウグウノツカイが発見はっけん・回収かいしゅうされていた。

リュウグウノツカイは成長せいちょうすると体長たいちょう９メートルに達たっすることもある。生いきた姿すがたを見みかけることはめったにない。

９月がつにも別べつのリュウグウノツカイがハンティントンビーチで見みつかっているが、こちらはかなり損傷そんしょうが激はげしかった。