トランプ次期米大統領は20日、北大西洋条約機構(NATO)大使に、1期目に司法長官代行を務めたマシュー・ウィテカー氏を指名すると発表した。
トランプ氏はウィテカー氏について「米国の利益を追求し、守る忠実な愛国者」と形容し、同氏がNATO加盟国との関係を強化し、平和と安定を脅かすものに断固立ち向かうと期待を寄せた。同氏が米国第一主義をとることも強調した。
指名が承認されれば、ロシアと戦うウクライナへの支援の継続という難題をNATOが抱える中で、ウィテカー氏は米国の代表を務めることになる。また、トランプ氏は1期目に防衛費の増額を同盟国に迫ったが、ウィテカー氏は同盟国にさらに圧力をかける役割を担うことになりそうだ。
NATOは今年、ウクライナへの軍装備品や軍事訓練の提供を調整する任務を設けることを発表した。この取り組みは主に米国が主導し、「トランプ氏の影響を受けない」支援を提供する試みと見る向きもあった。
トランプ氏とバンス次期副大統領は、ウクライナとロシアの戦争が2年半以上続いている中で、米国のウクライナ支援の程度を疑問視している。
トランプ氏は選挙期間中、相応の軍事費を拠出している同盟国に対してのみ、NATOが掲げる相互防衛を行うことを示唆した。
NATO米国代表部のウェブサイトによると、大使はNATOの最高意思決定機関である北大西洋理事会で米国代表を務める。同理事会はNATOに影響を及ぼす安全保障問題の政治・軍事的対応を監督する。
ウィテカー氏は外交畑での経験はない。