Japanese News: “おたがいさま”で救われた

“おたがいさま”で救すくわれた

May 18, 2022 20:05

Furigana

「おたがいさま」

同おなじ立場たちばや状況じょうきょうにあることを指さすこの言葉ことば。

「おたがいさまだから気きにしないでね」など、困こまったり遠慮えんりょしたりしている相手あいてを気遣きづかう時ときによく使つかわれます。

このポジティブな言葉ことばを世界せかいに広ひろめたいと取り組とりくみ始はじめた人ひとたちがいます。

日本にっぽんの「もったいない」が「MOTTAINAI」として浸透しんとうしたように。

皆みなさんは「おたがいさま」使つかってますか？

（大阪おおさか放送ほうそう局きょくニュースリポーター小川おがわ真由まゆ）

魔法まほうのことば「おたがいさま」

《車くるまいすを利用りようする女性じょせいからのエピソード》

私わたしはまだ自分じぶんが行いき慣なれた限かぎられた場所ばしょしか行いくことができません。

車椅子くるまいすで迷惑めいわくをかけるのがこわいからです。

でもこの度たび、私わたしに魔法まほうのことばができました。

その言葉ことばは「おたがいさま」

女性じょせいは車くるまいすが幅はばを取とってしまったり、道みちを譲ゆずってもらったりすることを申し訳もうしわけないと思おもい、外出がいしゅつを控ひかえることもあったそうです。

しかし、周まわりの人ひとからの

「困こまった時ときはおたがいさま。お互おたがいに困こまった時ときは助たすけあいましょう」

といった声こえがとても励はげみになったといいます。

おたがいさまの一言ひとことで気持きもちが軽かるくなり、外出がいしゅつへの怖こわさが減へったそうです。

おたがいさまからOTAGAISAMAへ

この「おたがいさま」のエピソードを募つのったのは京都きょうとの団体だんたいです。

「おたがいさま」を世界せかいへと広ひろめようと呼よびかけたところ、国内外こくないがいから70以上いじょうのエピソードが集あつまりました。

イベントを主催しゅさいした赤坂あかさか美保みほさんも「おたがいさま」の言葉ことばに救すくわれた1人にんです。

もともとは会社かいしゃ員いんとして海外かいがいと関かかわる事業じぎょうで活躍かつやくしてきた赤坂あかさかさん。

出産しゅっさん後ごは、子こども中心ちゅうしんの生活せいかつとなり、職場しょくばの理解りかいを得えながら働はたらき方かたを見直みなおさなければならなくなりました。職場しょくば仲間なかまへの後うしろめたい気持きもちもありました。

また、買い物かいものする時ときやバスや電車でんしゃに乗のる時ときも、動き回うごきまわる子こどもを抱かかえて、周囲しゅういの人ひとに迷惑めいわくをかけていると感かんじる日ひが続つづきました。

そんなときに、知しらない人ひとからかけられたのが「おたがいさま」という言葉ことばでした。

赤坂あかさか美保みほさん

「子こどもと一緒いっしょにいるとすごい怒おこられることが多おおくて、そういう時ときに『おたがいさまだからいいよ』とか言いっていただけると、『ほんとありがとうございます』って。私わたしもそういう気持きもちを忘わすれないで、いろんな人ひとたちのことを想像そうぞうして、おたがいさまと言いえるようになりたいなと」

赤坂あかさかさんは「もったいない」が「MOTTAINAI」と世界せかいに広ひろまったように、「おたがいさま」も「OTAGAISAMA」として広ひろめていきたいと考かんがえました。

赤坂あかさか美保みほさん

「謝あやまるのでも「いいよ」でもいいんですけど、「おたがいさまよ」だったら、負担ふたん感かんがすごく少すくないんじゃないかなと思おもいます。「おたがいさま」って、きっとほかの国くにでもなにかあると思おもうんですけど、みんながある程度あるていど許ゆるし合あって、ある程度あるていど助け合たすけあってみたいな言葉ことばで、こんなすてきな言葉ことばは、もっとたくさん使つかわれたらいいよねって。世界せかいに広ひろげたいですね」