UNHCRのグランディ難民なんみん高等こうとう弁務べんむ官かんは強つよい危機きき感かんを示しめしたうえで、ウクライナだけでなく世界せかいの難民なんみんと避難ひなん民みんの支援しえんを強化きょうかしていく必要ひつようがあるとして、国際こくさい社会しゃかいにいっそうの協力きょうりょくを呼よびかけています。

閣僚かくりょう会議かいぎでは、ロシアの軍事ぐんじ侵攻しんこうによって起おきている食料しょくりょう不足ふそくなど、食料しょくりょう安全あんぜん保障ほしょうの分野ぶんやでは不ふ必要ひつような食料しょくりょう輸出ゆしゅつの制限せいげんをしないというWTO協定きょうてい上じょうのルールを各国かっこくが順守じゅんしゅする方向ほうこうで議論ぎろんが進すすんできましたが、関係かんけい者しゃによりますと、インドやパキスタン、それにスリランカなどが異ことなる主張しゅちょうをしているということです。

新型しんがたコロナの世界せかい的てきな感染かんせん拡大かくだいとロシアの軍事ぐんじ侵攻しんこうで世界せかい経済けいざいが揺ゆさぶられるなか、自由じゆう貿易ぼうえきを理念りねんとして掲かかげるWTOが一致いっちした方針ほうしんを打ち出うちだすことができるか、交渉こうしょうは山場やまばを迎むかえています。

プーチン大統領だいとうりょうも重視じゅうしするこの会議かいぎには、かつては、安倍あべ元もと総理そうり大臣だいじんやフランスのマクロン大統領だいとうりょうなど、G7＝主要しゅよう7か国かこくの首脳しゅのうも出席しゅっせきしてきましたが、今回こんかいは、例年れいねんと違ちがって欧米おうべいからの参加さんかはほとんどありません。

参加さんかするのは、中東ちゅうとう、アフリカや南米なんべい、旧きゅうソビエト諸国しょこくなど、ロシアと結び付むすびつきが強つよい国くにばかりで、ロシアとの経済けいざい協力きょうりょくなどを話し合はなしあう個別こべつのセッションも、中国ちゅうごくやトルコ、イランなどにかぎられ、制裁せいさいを強つよめる欧米おうべいとの断絶だんぜつが一層いっそう鮮明せんめいになっています。

ロシア大統領だいとうりょう府ふによりますと、今回こんかいは海外かいがいから参加さんかする企業きぎょうがおよそ260社しゃにとどまったのに対にたいして国内こくないからは1200社しゃを超こえるなど、ロシア企業きぎょうの参加さんかが目立めだつということです。

ロシア大統領だいとうりょう府ふの報道ほうどう官かんは、プーチン大統領だいとうりょうが17日にちに行おこなう演説えんぜつで、世界せかいの資源しげん価格かかくの高騰こうとうや食料しょくりょう安全あんぜん保障ほしょうについて言及げんきゅうするとしたうえで「非ひ友好国ゆうこうこくがロシアに仕掛しかけた経済けいざい戦争せんそうで、事態じたいが深刻しんこく化かした」と述のべるなど、強気つよきの構かまえを崩くずしていません。

ロシアとしては、一連いちれんの会議かいぎを通をつうじてウクライナ侵攻しんこうを改あらためて正当せいとう化かしながら、欧米おうべいとの対抗たいこう軸じくを築きずきたいねらいもありそうです。

こうした中なか、ベルギーの首都しゅとブリュッセルで、ウクライナを支援しえんする国くにが参加さんかする会合かいごうが15日にち、アメリカの主導しゅどうで開ひらかれ、NATO＝北大ほくだい西洋せいよう条約じょうやく機構きこうの加盟かめい国こくなどおよそ50か国かこくの関係かんけい者しゃが参加さんかしました。

会合かいごうにはウクライナのレズニコフ国防こくぼう相しょうも出席しゅっせきし、どのような兵器へいきが優先ゆうせんして必要ひつようかなどを説明せつめいしたということです。

これに対にたいして各国かっこくからは、新あらたな軍事ぐんじ支援しえんが相次あいついで表明ひょうめいされ、このうち▽ドイツは多連装たれんそうロケットシステムを、▽スロバキアはヘリコプターやロケット弾だんを供与きょうよする方針ほうしんをそれぞれ示しめしたということです。

こうした支援しえんについてアメリカのオースティン国防こくぼう長官ちょうかんは、会合かいごうのあとの記者きしゃ会見かいけんで「ウクライナの長距離ちょうきょり砲撃ほうげきの能力のうりょくへの投資とうしであり、ロシアの攻撃こうげきをはね返はねかえすうえで極きわめて重要じゅうようだ」と述のべました。

そのうえで「われわれは支援しえんを通をつうじて大おおきな勢いきおいを作つくってきたが、さらに加速かそくさせるつもりだ。将来しょうらいにわたってロシアによる侵略しんりゃくからの撃退げきたいを支援しえんする」と述のべ、軍事ぐんじ支援しえんを加速かそくさせる考かんがえを強調きょうちょうしました。

ガスプロムは、前日ぜんじつの14日にちにも、パイプラインのほかの設備せつびの修理しゅうりが遅おくれていることを理由りゆうに、供給きょうきゅう量りょうをおよそ40％減へらすと発表はっぴょうしたばかりで、これについて、ドイツでエネルギー政策せいさくを担当たんとうするハーベック経済けいざい・気候きこう保護ほご相しょうは、15日にちの記者きしゃ会見かいけんで、修理しゅうりはことし秋あきの予定よていでいま行おこなう必要ひつようはないものだと指摘してきしました。

さらに、ガスプロムの15日にちの発表はっぴょうを受うけた声明せいめいでは「ロシア側がわの対応たいおうは状況じょうきょうを不安定ふあんてい化かさせ、エネルギー価格かかくを高騰こうとうさせるための明あきらかな戦略せんりゃくだ」と非難ひなんしました。

そのうえで、国内こくないのガスの供給きょうきゅうには問題もんだいは起おきていないとして、今後こんごも状況じょうきょうを注視ちゅうししながら必要ひつように応おうじて対策たいさくを講こうじる考かんがえを強調きょうちょうしました。

具体ぐたい的てきには砲撃ほうげきのための兵器へいきや砲弾ほうだんのほか、沿岸えんがん防衛ぼうえいのための兵器へいき、それにロケットシステムなどを供与きょうよするとしています。さらに2億おく2500万まんドル、日本にっぽん円えんでおよそ300億おく円えん相当そうとうの追加ついかの人道じんどう支援しえんを行おこなうことも明あきらかにしました。

ウクライナのゼレンスキー大統領だいとうりょうは15日にち、新あらたに動画どうがを公開こうかいし「この支援しえんに感謝かんしゃしている。ドンバス地域ちいきの防衛ぼうえいにとって特とくに重要じゅうようだ」と述のべました。

ウクライナ大統領だいとうりょう府ふの発表はっぴょうによりますと、ゼレンスキー大統領だいとうりょうは、動画どうがの公開こうかいに先立さきだってバイデン大統領だいとうりょうと電話でんわで会談かいだんし、最新さいしんの戦況せんきょうやさらなる支援しえんなどについて議論ぎろんを交かわしたということです。

ゼレンスキー大統領だいとうりょうは声明せいめいで「われわれはこの戦争せんそうに勝利しょうりし、奪うばわれた領土りょうどを取り返とりかえさなければならない」と徹底てってい抗戦こうせんする構かまえを改あらためて強調きょうちょうしました。

合意ごういでは、イスラエルの沖合おきあいで産出さんしゅつされる天然てんねんガスをパイプラインでエジプトに輸送ゆそうしたあと、液化えきかしてヨーロッパへ輸出ゆしゅつするほか、輸送ゆそう技術ぎじゅつの向上こうじょうのための技術ぎじゅつ開発かいはつを進すすめることなどが確認かくにんされました。

合意ごういのあと、EUのフォンデアライエン委員いいん長ちょうは会見かいけんで「エネルギーの調達ちょうたつ先さきの多角たかく化かに向むけて、ロシアの化石かせき燃料ねんりょうから信頼しんらいできる相手あいてへの移行いこうを進すすめるなか、この2か国かこくはまさに信頼しんらいできる調達ちょうたつ先さきだ」と述のべ、合意ごういの意義いぎを強調きょうちょうしました。

豊富ほうふな埋蔵まいぞう量りょうがあるとされる東ひがし地中海ちちゅうかいの天然てんねんガスをめぐっては、ヨーロッパへの海底かいていパイプラインの敷設ふせつ計画けいかくが進すすめられるなど、周辺しゅうへん国こくが協力きょうりょくを模索もさくしていましたが、ロシアによるウクライナへの軍事ぐんじ侵攻しんこうを受うけて連携れんけいが加速かそくした形かたちです。