“長時間労働で適応障害” 教諭の訴え認め大阪府に賠償命令 - Easy News

大阪おおさかの府立ふりつ高校こうこうの現職げんしょくの教諭きょうゆが、部ぶ活動かつどうの指導しどうなどで長時間ちょうじかん労働ろうどうを強しいられ、適応てきおう障害しょうがいを発症はっしょうしたと訴うったえた裁判さいばんで、大阪おおさか地方ちほう裁判所さいばんしょは教諭きょうゆの訴うったえを全面ぜんめん的てきに認みとめ、大阪おおさか府ふに賠償ばいしょうを命めいじました。

大阪おおさかの府立ふりつ高校こうこうの教諭きょうゆで社会しゃかい科かを教おしえる西本にしもと武史たけしさん（34）は5年ねん前まえ、学級がっきゅう担任たんにんの受け持うけもちに加くわえて、夜間やかんや休日きゅうじつの部ぶ活動かつどうの指導しどうや語学ごがく研修けんしゅうの引率いんそつなどで、恒常こうじょう的てきに長時間ちょうじかん労働ろうどうを強しいられて適応てきおう障害しょうがいを発症はっしょうし、休職きゅうしょくを余儀よぎなくされたとして、大阪おおさか府ふに賠償ばいしょうを求もとめる訴うったえを起おこしていました。

現職げんしょくの教諭きょうゆが学校がっこう側がわを訴うったえるのは異例いれいで、ことし2月つきには、適応てきおう障害しょうがいの発症はっしょうについて、公務こうむ災害さいがいと認みとめられていました。

28日にちの判決はんけつで、大阪おおさか地方ちほう裁判所さいばんしょの横田よこた典子のりこ裁判さいばん長ちょうは「適応てきおう障害しょうがいを発症はっしょうする前まえの半年はんとし間かんの時間じかん外がい労働ろうどうの平均へいきんは1か月かげつ当あたりおよそ100時間じかんで、心身しんしんの健康けんこうを害がいする強度きょうどの心理しんり的てき負荷ふかであった」と指摘してきしました。

そのうえで「校長こうちょうは、西本にしもとさんから『このままでは死しんでしまう。体からだも精神せいしんもボロボロです』などと、追い詰おいつめられた精神せいしん状態じょうたいをうかがわせるメールを受信じゅしんしていながら、体からだを気きづかい、休やすむようになどの声こえかけをするのみで、抜本ばっぽん的てきな業務ぎょうむ負担ふたんを軽減けいげんする対策たいさくを講こうじなかった」として、訴うったえを全面ぜんめん的てきに認みとめ、大阪おおさか府ふに230万まん円えん余あまりの賠償ばいしょうを命めいじました。

教諭きょうゆの代理人だいりにん弁護士べんごし「司法しほうが当たり前あたりまえの判断はんだんを出だした」

判決はんけつについて、西本にしもとさんの代理人だいりにんの松丸まつまる正ただし弁護士べんごしは「教育きょういく現場げんばの非常識ひじょうしきな論理ろんりに対にたいして、司法しほうが当たり前あたりまえの判断はんだんを出だしたと思おもう。このまま変かわらなければ教育きょういく現場げんばの持続じぞく可能かのう性せいが壊こわれるかもしれないということを、府ふや国くには深刻しんこくに受け止うけとめてほしい」と指摘してきしました。