今週、取材した都内で義足や義手などを手がける義肢装具メーカーの社長のことばです。
しかし、急速に進む円安の影響で、仕入れ価格が2割上昇。アルミや鉄などの原材料価格も高騰していて、収益が圧迫されています。 メ-カーでは販売価格への転嫁を検討していますが、義足などの部品の価格を値上げするには、国の認可を得る必要があります。 仮に認められたとしても実際に値上げできるのは来年4月。現状は企業努力でコスト削減を図りながらやりくりしていくしかないといいます。 中小メーカーの経営に重くのしかかる輸入物価の高騰。短期間に急激に円安が進む中、企業の中には対応が間に合わないところも出てきています。
そして、上半期最終日の30日午後5時時点の円相場は、1ドル=136円19銭から21銭でした。115円台前半だった去年の年末から半年間で、およそ21円もの値下がりです。 毎営業日の記録が残る日銀の1998年以降の午後5時時点のデータでみると、半年間の値下がり幅としては最大となりました。 短期間でこれだけ円安が進んだ背景には、日米の金融政策の方向性の違いがあります。 インフレ抑制のため、金融引き締めを急ぐアメリカでは金利が上昇。これに対し、日銀は大規模な金融緩和で金利を抑え込んでいます。 金利差が拡大する構図は当面、変わらないという見方から、より利回りが見込めるドルを買って円を売る動きが続いてきました。
きっかけは2013年の日銀の黒田総裁就任。「黒田バズーカ」と呼ばれる市場に大量の資金を供給する大規模な金融緩和策を打ち出したことで、一気に円安が進みました。 また2015年には、アメリカがリーマンショック以降続けてきたゼロ金利政策の解除に向け、動き出したことが大きな要因でした。 いずれも市場が金融政策の潮目の変化を捉え、為替の大幅な変動を生み出してきたのです。 新型コロナからの経済活動の再開に伴う世界的なインフレに加え、ロシアのウクライナへの軍事侵攻による資源価格の高騰を受け、いま、欧米の中央銀行が金融引き締めを急いでいます。 ただ、急速な金融引き締めによって、景気が一気に冷え込むリスクも指摘され始めています。 世界的なインフレはどこで収まるのか。 欧米の金融引き締めは、どこまで進むのか。 そして、日銀は今の大規模な金融緩和をいつまで続けるのか。 市場で各国の中央銀行の一挙手一投足が注目されています。
市場関係者1 「アメリカの急速な利上げに伴う日米の金利差拡大によって円安ドル高が進行し、年内に1ドル=145円まで円安が進む可能性があると見ている。来年以降はアメリカの景気の減速感が強まり、アメリカの利下げが意識されれば、ドル円は反転するだろう。そして来年の後半には、日銀の金融政策の修正などにより、日本の金利が上昇し、1ドル=133円程度になるとみている」 市場関係者2 「FRBがインフレ抑制に本腰を入れ、市場で大幅な利上げが織り込まれる一方、日銀は金融緩和の維持に強い姿勢を示しているため、円安ドル高が進む余地が拡大し、年内に1ドル=142円まで円安が進む可能性がある。ただ、アメリカの景気はこの先、大幅な利上げによって減速が見込まれ、人手不足などの供給制約が徐々に解消されることで、インフレはいくらか落ち着くのではないか。来年は円高ドル安方向になりやすくなると思う」 市場関係者の間では、年内にもう一段、円安が進むという見方が多くなっています。 食料やエネルギーなどを輸入に頼る日本では、輸入物価を押し上げる円安は、私たちの生活に大きな影響を与えます。 それだけに、為替相場の変動や中央銀行の動き、潮目の変化を注意深く見ていく必要がありそうです。
8日に発表されるアメリカの雇用統計では、失業率がコロナ前の水準に回復するのかに関心が集まりそうです。 10日は参議院選挙の投開票日。物価高への対策が争点の1つとなる中、今後の日本経済を左右する選挙の結果に注目です。
記録的なスピードで円が下落
下半期さらに円安進行?1ドル=145円も
注目予定
短期間の急激なコスト増加に対応できない
「想定を超える円安です。この半年で急激にコストが増えて、準備する時間もなく、すぐに値上げもできないので、耐えるしかありません」
このメーカーでは、義足などを必要とする人にいつでも製品を提供できるよう、200種類にのぼる部品や材料をアメリカやドイツなどの海外から輸入しています。
今週、外国為替市場では、円相場が一時、およそ24年ぶりに1ドル=137円台まで値下がりしました。
過去にも円安が急速に進んだ局面があります。2013年から2015年にかけてです。
この記録的な円安。今後の動向について、市場関係者はどうみているのでしょうか。
7日に大幅な利上げを決めたアメリカのFRB=連邦準備制度理事会の6月会合の議事録が公表されます。今後の金融引き締めのペースなどについて、どのような議論が行われたのか注目されます。
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