先月29日、100歳で亡くなったアメリカの第39代大統領のジミー・カーター氏の国葬は9日、首都ワシントンの大聖堂で執り行われました。
葬儀にはバイデン大統領夫妻と、今月20日に就任するトランプ次期大統領夫妻、それにオバマ元大統領など、歴代の大統領が全員出席したほか、政財界の要人が参列しました。
日本からは菅元総理大臣が、カナダからは父親がカーター氏の大統領在任時に首相を務めていたトルドー首相が出席しました。
バイデン大統領は弔辞で自身が31歳の時から続いたというカーター氏との友情を振り返り、「人格の強さは、その人が持つ肩書や権力にも勝るということを教えてくれた。いま、多くの人々は彼を過去の時代の人物だと考えているが、実際には、彼ははるか未来を見通していた」と述べて、長年、紛争の平和的解決に取り組み、ノーベル平和賞を受賞したカーター氏の功績をたたえました。
バイデン大統領は9日を「国民追悼の日」と定め連邦政府機関を休みとして、国全体でカーター氏を追悼しています。
カーター元大統領の遺体は地元のジョージア州で埋葬されます。
国葬に出席したトランプ氏は
カーター元大統領の国葬はアメリカの歴代大統領が一堂に会する貴重な機会ともなりました。
前大統領であり、今月20日に就任するトランプ次期大統領は妻のメラニアさんとともにワシントン大聖堂に到着しました。
そして、先に着席していた民主党のゴア元副大統領や、自身の副大統領を務めたものの、その後は批判的な立場をとっているペンス氏に歩み寄り、握手を交わしていました。
また、大統領を務めた順に着席すると隣になったオバマ元大統領とにこやかに会話を交わしていました。
一方、大統領選でトランプ氏に敗北した民主党のハリス副大統領は着席する際にトランプ氏と握手や言葉を交わす様子は確認できませんでした。
トランプ氏は前日の8日、連邦議会の議事堂を訪れ、安置されたカーター氏のひつぎの前で弔意を示したあと、記者団に対し「カーター氏はすばらしい人だった」と述べ、カーター氏の家族にも首都ワシントンで会ったことを明らかにしていました。
菅元首相「厳かな国葬だった」
カーター元大統領の国葬に、石破総理大臣の特使として参列した自民党の菅元総理大臣は記者団に対し「日本政府を代表して、アメリカと、アメリカ国民に深い哀悼の意を示させていただいた。大統領在任中のみならず、生涯を通じてアメリカと世界の発展のために活躍されたカーター氏の功績は偉大であり、それにふさわしい厳かな国葬だった」と述べました。