米カリフォルニア州ロサンゼルスで続く火災の影響で大気汚染が深刻化し、健康被害が現場から離れた場所まで及ぶ事態も懸念されています。
世界の大気汚染を監視するスイス企業「IQエアー」によると、カリフォルニア州南部の大気汚染レベルは6段階のうち最悪の「レベル6」に達しています。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の疫学者、アン・リモイン教授は、火災で発生する大気汚染物質の微小粒子状物質(PM2.5)が遠く離れた場所まで運ばれ、吸い込んだ人の肺の奥まで達して血管に取り込まれる可能性を指摘。慢性疾患の患者や妊婦、若年者は特に大きな影響を受けるため、窓を閉めて屋内にとどまり、エアコンやエアフィルターを使うよう呼び掛けました。また、やむなく屋外で過ごす場合は高性能のN95マスクを着けるべきだと警告しました。
ただし、同州パサデナの自宅から家族で避難したという男性は、家のドアを閉めてフィルターをいくら使っても効果はなく「息ができなかった」と話しています。