愛媛県宇和島市に本社があり水産物を輸出する水産会社「イヨスイ」は、輸出全体のおよそ4割がアメリカ向けで、このうち最も輸出量が多いのがブリです。
近年、海外では脂ののったブリの人気が高まっていて、農林水産省の最新のまとめで、おととし、日本から輸出されたブリのうちおよそ6割をアメリカが占め、金額にして243億円余りに上っています。
会社では冷凍したものは海上輸送で、生の活魚は空輸で輸出しています。
トランプ氏が大統領選挙で当選を確実にした去年11月以降は、関税が引き上げられる前に輸入しようと、アメリカからの注文の問い合わせが前の年の同じ時期と比べて5割ほど急増しているということです。
しかし、去年、気温が高い日が続いたことなどからアメリカで好まれる大きさまでブリが育っておらず、供給が追いついていない状態だということです。
水産会社「イヨスイ」の荻原寿夫取締役は「今後、実際に関税が引き上げられれば物価高が進み、アメリカでの消費意欲が落ちることを懸念している。トランプ氏は自国の得になることであればすぐに方向性を変えるので、今後の動きを注視している」と話していました。