中なかには、談話だんわスペースのほか、運動うんどうできるホールや楽器がっきの練習れんしゅうができるスペースなどが整備せいび、ここで勉強べんきょうしたり、ゲームをして遊あそんだりと、自由じゆうに過すごせます。

利用りよう時間じかんは、午前ごぜん9時じから午後ごご9時じまで。

年末ねんまつ年始ねんしを除のぞいて毎日まいにち利用りようできます。

フロアには、スタッフのほかにボランティアの大学生だいがくせいなどもいて、中学生ちゅうがくせいや高校生こうこうせいが1人にんで来きても居心地いごこち良よく過すごせるよう、さりげなく声こえをかけています。

会話かいわの中なかから、やりたいことや、新あらたな関心かんしんや興味きょうみのきっかけをつかんでいくようにしているということです。

ミーティングの際さいには企画きかくしたイベントの報告ほうこくや、館内かんないの掲示けいじ物ぶつのアイデアを出し合だしあうなど主体しゅたい的てきに活動かつどうしています。

学校がっこうでは、場ばの空気くうきを読よんでしまい自分じぶんの個性こせいを出だしにくく、「自分じぶんは引っ込み思案ひっこみじあんな方ほうだ」と感かんじています。

ここではスタッフと話はなしたり、趣味しゅみの音楽おんがくを作つくったり、出会であった仲間なかまとゲームをして過すごしたり。

（けいしん君くん）

「みんながフレンドリーで居心地いごこちが良よく、好すきなことができるし、友達ともだちも増ふやせる。学校がっこうから帰かえってきて、疲つかれを癒やせる環境かんきょうだと思おもいます」

「学校がっこうだと人間にんげん関係かんけいがあったりして、関係かんけい崩くずれたとか、学校がっこう行いきたくないなって思おもう時ときがあるじゃないですか。そういう時ときの“逃げ場にげば”っていうか、別べつの環境かんきょうがあるよっていうの心こころがやわらぐ。心こころのよりどころになるっていうか、逃げ場にげばがあるだけで生いきれるかなって」

そのうえで。

「学校がっこうだと自分じぶんと同おなじ感かんじの人ひとが多おおくなるけど、ここで活動かつどうしてみんなとふれあうと、ほかの人ひとの価値かち観かんも違ちがっている。価値かち観かんが違ちがう人ひとと話はなしてああこういう発見はっけんもあるんだっていうので自分じぶんの視野しやを広ひろげる面めんでもいいかなって思おもいます」

（めいめいさん）

「家いえでは毎日まいにち、幼おさないきょうだいの世話せわをしなければならなくて落ち着おちつかないけれど、ここではスタッフの人ひとに話はなしを聞きいてもらえて息抜いきぬきができる。自分じぶんの好すきなことも見みつけて、イベントを企画きかくしても否定ひていされない。ここと出会であってなかったら、毎日まいにち疲つかれていたと思おもいます」

▽10～12歳さい 「ある」 81.7％ 「ない」 18.3％

▽13～15歳さい 「ある」 73.3％ 「ない」 26.7％

▽16～18歳さい 「ある」 73.1％ 「ない」 26.9％

年齢ねんれいが上あがるほど「ない」と答こたえた人ひとの割合わりあいが高たかくなっています。

また居場所いばしょがないと答こたえた人ひとに、どのような場所ばしょなら行いってみたいか複数ふくすう回答かいとうで尋たずねたところ、

「いつでも行いきたい時ときにいける」

「好すきなことをして自由じゆうに過すごせる」と回答かいとうした割合わりあいが

50％前後ぜんごと高たかい傾向けいこうにあり、

▽16歳さい以上いじょうでは、

その2つに加くわえて、

「1人にんで過すごせたり、何なにもせずのんびりできる」という回答かいとうの割合わりあいも

約やく57％から64％と高たかくなりました。

子こどもたちが地域ちいきのコミュニティの中なかで育そだつことが難むずかしくなっているほか、虐待ぎゃくたいやいじめ、不ふ登校とうこう、自殺じさつの増加ぞうかなどの課題かだいが複雑ふくざつ化かする中なかで、子こどもや若者わかものが学校がっこうや家庭かてい以外いがいに安心あんしんして過すごせる場所ばしょを作つくる必要ひつようがあるとしています。

17日にちに始はじまった有識ゆうしき者しゃの会議かいぎでは「自治体じちたい間かんで連携れんけいし、住すむ場所ばしょに関かかわらず居場所いばしょを利用りようできることが大切たいせつだ」といった意見いけんや「オンラインゲームやSNSなど、これまで想定そうていされていなかったものが居場所いばしょとして機能きのうしていることも念頭ねんとうに置おいて議論ぎろんすべきだ」といった意見いけんが出だされました。

こども家庭かてい庁ちょうは、今年度こんねんど、自治体じちたいを対象たいしょうに公募こうぼを行おこない、モデル事業じぎょうを始はじめるとともに、子こども・若者わかものから意見いけんを聴きいたり先行せんこう事例じれいを調査ちょうさするなどしたうえで、「こども居場所いばしょ」づくりの整備せいびの方向ほうこう性せいなどを定さだめる基本きほん指針ししんを、年内ねんないにも策定さくていすることにしています。

「地域ちいきのつながりが希薄きはくになり、家いえと学校がっこう以外いがいのコミュニティーがないという子こどもがとても多おおい。そのため、そこでうまくいかなくなってしまうと行き場いきばがなくなり、生いきづらさにつながってしまう状況じょうきょうがある。さらにコロナ禍かで感染かんせん対策たいさくなどを優先ゆうせんせざるをえず、ゆとりのある自由じゆうにできる空間くうかんというのは縮小しゅくしょうする時期じきが長ながかったので、子こどもたちがホッと安心あんしんできる場所ばしょを、改あらためて意図いと的てきに整ととのえていく必要ひつようがある」

国くにがこどもの居場所いばしょづくりに取り組とりくむ意義いぎについて。

「こどもの居場所いばしょは、教育きょういく・福祉ふくし・地域ちいきの問題もんだいなどさまざまな問題もんだいが複合ふくごう的てきに入はいっている問題もんだいなので、縦たて割わりにせず国くに全体ぜんたいで取り組とりくんでいくことが重要じゅうようになる。国くにレベルで居場所いばしょの検討けんとうや取り組とりくみを進すすめることで、これまであまり関心かんしんのなかった人ひとたちや、取り組とりくみが進すすんでいない自治体じちたいも居場所いばしょづくりに関心かんしんを持もち、具体ぐたい的てきな取り組とりくみにつながるきっかけになればと思おもいます」

そのうえで、次つぎのように指摘してきしました。

「居場所いばしょづくりでは、単たんに『場所ばしょ』を用意よういするだけでなく、子こどもたちが安心あんしんして過すごせる環境かんきょうを整ととのえることが不可欠ふかけつです。子こどもや若者わかものの声こえを聞ききながらいろいろなニーズや課題かだいを抱かかえた子こどもなど、すべての子こどもが安心あんしんできる居場所いばしょを作つくっていくことが大切たいせつだと思おもいます」