ウクライナからの避難者「G7に出席した決断 評価したい」
去年4月にウクライナから日本に避難し、「日本ウクライナ友好協会」が運営する都内の料理店で働くヴィクトリア・ステブリュクさんは、21日、G7広島サミットに出席したゼレンスキー大統領の様子をテレビで見守ったということです。
そのうえで「戦争によって多くの人が亡くなっているウクライナの現状をほかの国々のリーダーに直接伝え、さらなる支援やロシアへの制裁の継続を呼びかけることができたのは重要な機会だったと思います」と述べ、サミットでの一連の外交が戦争の終結につながってほしいと期待を寄せていました。
この制限は21日夜に解除されフェンスを撤去する作業も始まったことから22日は市民や観光客らが公園を訪れていました。 訪れた人たちはG7の首脳らが献花した慰霊碑の前まで足を運んだり、サミットのモニュメントの前で写真を撮ったりしていました。 2歳の子どもと一緒に訪れた市内に住む夫婦は「首脳が訪れたことで被爆地のことが世界に伝わったらいいなと思います。子どもが大きくなったら今回のことを伝えたいです」と話していました。 また、インドネシア出身の女性は「きのうは入れなかったのできょう来ました。首脳が訪れた場所に来ることができてうれしいです」と話していました。 広島サミット県民会議によりますと、フェンスの撤去は出入り口の周辺から優先的に行い、1週間から2週間ほどかけて作業を進めるということです。
ロシアのプーチン大統領が核戦力の使用も辞さない構えを見せる中、被爆地・広島で核の脅しに屈しない姿勢を示しています。
また、小倉さんは、原爆資料館を訪れたすべての首脳たちに証言をしたということで「知ることが戦争をやめさせる一番最初の平和運動で、それが今回だと思う。彼らのやり方で、戦争を終わらせてほしい。核兵器の事実を少なくとも私はお話できたし、皆さんは感じられたと、自信を持って言えます」と話し各国の首脳が核兵器の廃絶に向けて動き出すことに期待を示しました。
そのうえで「サミットを通じて広島のすばらしさを感じてもらえたと思うので、このチャンスを活用して、今後も平和発信や、産業と観光の振興につなげていきたい」と述べました。
そして、ウクライナのぜレンスキー大統領が急きょサミットに参加したことに触れ「ウクライナ政府側からも今の美しい広島を見て復興支援をお願いしたいという話もあった。今後も世界の為政者や若い世代への平和の発信に取り組みたい」と述べました。
また、アメリカが同盟国などとともにウクライナの兵士へのF16戦闘機の訓練を開始するなど新たな軍事支援を表明したことについては「長い間、待っていました。F16戦闘機ならキーウに飛んでくるミサイルを撃ち落とし、防空能力を高めてくれます」と歓迎していました。
子連れの30代の女性はF16戦闘機について「本当にすばらしい。私たちには保護が必要ですし、領土を取り戻す必要があります」と歓迎したうえで、今月に入ってロシア軍による攻撃が増えていることに触れ戦闘機の供与が早期に実現することに期待を示していました。
4日ぶりに開館することから、オープン前には外国人を中心に多くの人が列をつくって開館を待ちました。
また、サミットの開催にあわせて資料館の窓ガラスに貼られていた目張りが剥がされる様子も見られました。 並んでいたカナダ人の男性は「もともとはもっと早く訪れる予定でしたがサミットの影響で予定を後ろ倒ししました。サミットの開催と同じ時期に展示を見ることで、広島に起こったことをより学ぶことができると思います」と話していました。 また、アメリカから資料館を訪れた女性は「きのう訪れる予定でしたが、閉まっていることに気付き、きょう来ることにしました。原爆によって広島に何が起こったか知りたいと思います」と話していました。
メイン会場となったホテルがある広島市南区の宇品島では、サミット開催の4日前から立ち入りが制限され21日に解除されました。
子どもたちは「ありがとう」や「感謝」と書かれた紙を掲げて沿道に立ち、警察官を乗せた車両に向かって手を振って見送っていました。
見送りに来た小学校6年生の児童は「ありがとうという気持ちで見送りました。『お疲れさまでした』という思いが伝わっていたらいいです」と話していました。 また、見送りを企画した元宇品町の門隆興町内会長は「何事もなく終わりほっとしています。警備にあたってくれた警察官のおかげなので感謝しています」と話していました。
21日夜、同じく避難してきたイリーナ・スヴィドランさん(65)とゼレンスキー大統領の会見をパソコンで見守り、ステファニヤさんは、「大統領の話が心に響きました。ウクライナで起きていることをサミットの場から世界に伝えられてよかったと思います」と話していました。 そのうえで、「すべての国々が大統領の話に耳を傾け、ウクライナを支援してほしいです。今回のサミットによって各国の対応に変化が起きてウクライナ人の安全確保やロシアへの制裁などにつながるのではないかと期待しています。終わりのない戦争はないはずです」と話していました。 また、イリーナさんは、「来日したことで、オンラインでは話せないことまで協議できたのではないでしょうか。世界が侵略に立ち向かい、平和が訪れるのではないかと希望がわきました」と話していました。
平和公園のフェンス撤去 市民や観光客らでにぎわう
ゼレンスキー大統領の記帳内容公表
小倉桂子さん「大統領は泣くのをこらえていたのだと思う」
G7首脳と1人で面会 “長い間の葛藤 追体験してください”
広島市長「首脳たちに広島の思い受け止めてもらえたと思う」
キーウの市民 今後の軍事支援に期待する声
原爆資料館 4日ぶりに開館 オープン前には行列も
メイン会場 宇品島の人たちが警備を終えた警察官を見送る
避難者「世界が侵略に立ち向かい平和訪れるのでは 希望わいた」