これまでに集あつまった情報じょうほうを共有きょうゆうし、分析ぶんせきにあたるとともに、今後こんごの対応たいおうを協議きょうぎしているものと見みられます。

人工じんこう衛星えいせいを打ち上うちあげるためのロケットと、弾道だんどうミサイルは、構造こうぞうが基本きほん的てきに同おなじで、先端せんたんに衛星えいせいを積つんでいるか、兵器へいきを積つんでいるかで目的もくてきが異ことなります。

防衛ぼうえい省しょう幹部かんぶの1人にんは「これまで北朝鮮きたちょうせんは衛星えいせいの打ち上うちあげを隠かくれみのにして、ミサイル技術ぎじゅつの向上こうじょうを追求ついきゅうしてきたと思おもうが、ここ最近さいきんは衛星えいせいの打ち上うちあげに関係かんけいなくミサイルを撃うってきている。ミサイルの技術ぎじゅつが十分じゅうぶんになっているのだとしたら本当ほんとうに軍事ぐんじ偵察ていさつ衛星えいせいを地球ちきゅう周回しゅうかい軌道きどうに乗のせようとしている可能かのう性せいがある」と話はなしています。

また別べつの防衛ぼうえい省しょう幹部かんぶは「北朝鮮きたちょうせんがおととし発表はっぴょうした国防こくぼうに関にかんする計画けいかくの中なかでは、軍事ぐんじ偵察ていさつ衛星えいせいの保有ほゆうが目標もくひょうに掲かかげられている。それを踏ふまえると、ミサイル技術ぎじゅつの向上こうじょうというよりは、衛星えいせいの運用うんように向むけた動うごきに近ちかいと考かんがえられる」と話はなしています。

人工じんこう衛星えいせいを打ち上うちあげたかどうかを見分みわけるには、飛行ひこうコースや飛行ひこう速度そくどを詳くわしく分析ぶんせきする必要ひつようがあるほか、人工じんこう衛星えいせいであれば、地上ちじょうとの交信こうしんで通常つうじょうは何なんらかの電波でんぱや信号しんごうを発信はっしんするため、防衛ぼうえい省しょうは、自衛隊じえいたいのレーダーなどでこれらの情報じょうほうを収集しゅうしゅうして分析ぶんせきするものとみられます。

このうち日本にっぽんの近海きんかいでは、弾道だんどうミサイルなどを追尾ついびすることができる高性能こうせいのうレーダーと、迎撃げいげきミサイルを搭載とうさいしたイージス艦かんが展開てんかいしていて、24時間じかん態勢たいせいで備そなえています。

また、北朝鮮きたちょうせんが2012年ねんと2016年ねんに「人工じんこう衛星えいせい」と称しょうして事実じじつ上じょうの弾道だんどうミサイルを発射はっしゃした際さいには、沖縄おきなわ県けんの先さき島とう諸島しょとう付近ふきんの上空じょうくうを通過つうかしていることから、地上ちじょう配備はいび型がたの迎撃げいげきミサイル「PAC3」を陸上りくじょう自衛隊じえいたいの与那国よなぐに駐屯ちゅうとん地ちや石垣いしがき駐屯ちゅうとん地ち、航空こうくう自衛隊じえいたいの宮古みやふる島とう分ぶん屯たむろ基地きちなどに展開てんかいしています。

2012年ねん4月つきは、発射はっしゃの28日にち前まえに「地球ちきゅう観測かんそく衛星えいせいとして『クァンミョンソン（光明こうみょう星ぼし）3号ごう』を北西ほくせい部ぶのソヘ（西海にしうみ）発射はっしゃ場じょうから南みなみに向むけて打ち上うちあげる」と発表はっぴょうし、5日間にちかんの予定よてい期間きかんを設定せっていしました。

また、この年としの12月つきは、発射はっしゃの11日にち前まえに「地球ちきゅう観測かんそく衛星えいせい『クァンミョンソン3号ごう』の2号機ごうきを打ち上うちあげる」と明あきらかにし、13日間にちかんの予定よてい期間きかんを設もうけました。

さらに、前回ぜんかい・2016年ねん2月つきは、発射はっしゃの5日にち前まえに「地球ちきゅう観測かんそく衛星えいせい『クァンミョンソン4号ごう』を打ち上うちあげる」として、18日間にちかんの予定よてい期間きかんを国際こくさい機関きかんに通告つうこくしていました。

一方いっぽうで北朝鮮きたちょうせんは、関係かんけい国こくが警戒けいかいを強つよめる中なかで陽動ようどう作戦さくせんとも受け取うけとれる動うごきも見みせてきました。

2012年ねん12月つきは、予定よてい期間きかんに入はいる前日ぜんじつになって「打ち上うちあげの時期じきの調整ちょうせいを慎重しんちょうに検討けんとうしている」として先さき延のばしを示唆しさし、翌日よくじつには「運搬うんぱんロケットの1段だん目めのエンジンに技術ぎじゅつ的てきな欠陥けっかんが見みつかった」として、予定よてい期間きかんを1週間しゅうかん延長えんちょう。

「運搬うんぱんロケット」を発射はっしゃ台だいから取り外とりはずす動うごきも捉とらえられましたが、結局けっきょく、予定よてい期間きかんの3日にち目めに発射はっしゃされました。

また、2016年ねん2月つきは、予定よてい期間きかんに入はいる2日にち前まえになって一いち日にち前倒まえだおししたうえで、初日しょにちに発射はっしゃしていました。

このうち、2009年ねん4月つきと2012年ねん4月つきは予告よこく期間きかんの2日にち目めに、2012年ねん12月つきは3日にち目め、2016年ねん2月つきは初日しょにちにそれぞれ発射はっしゃしています。

一般いっぱん的てきなロケットの場合ばあい、強風きょうふうや強つよい雨あめ、雷かみなりなどの悪あく天候てんこうが予想よそうされると、打ち上うちあげに悪あく影響えいきょうを及およぼすおそれがあるため、北朝鮮きたちょうせんは天候てんこう条件じょうけんなどを考慮こうりょしながら発射はっしゃする日ひを決きめるものとみられます。

一方いっぽうで、防衛ぼうえい省しょう関係かんけい者しゃによりますと、軌道きどうに投入とうにゅうされた物体ぶったいと地上ちじょうとの定期ていき的てきな通信つうしんなどは確認かくにんされていないということです。

防衛ぼうえい省しょうは、いずれの物体ぶったいも人工じんこう衛星えいせいとしての機能きのうを果はたしているとは考かんがえられないとして、長距離ちょうきょり弾道だんどうミサイルの技術ぎじゅつを高たかめるための発射はっしゃだったとしています。

その後そのご、北朝鮮きたちょうせんは2017年ねん7月つきに初はじめて射程しゃていが5500キロ以上いじょうのICBM＝大陸たいりく間かん弾道だんどうミサイル級きゅうのミサイルを発射はっしゃしました。それ以降いこう、ICBM級きゅうの弾道だんどうミサイルの発射はっしゃを繰り返くりかえし行いっていて、その数かずは可能かのう性せいのあるものも含ふくめると合あわせて13回かいとなっています。

敷地しきち内ないには、大型おおがたの固定こてい式しき発射はっしゃ台だいや、エンジンの実験じっけんなどを行おこなう「連動れんどう試験しけん場じょう」、それに管制かんせいセンターにあたる「総合そうごう指揮しき所しょ」などが点在てんざいしています。

「ソヘ衛星えいせい発射はっしゃ場じょう」をめぐっては、2018年ねん6月つきに行おこなわれた史上しじょう初はつの米べい朝ちょう首脳しゅのう会談かいだんのあと、当時とうじのアメリカのトランプ大統領だいとうりょうが、北朝鮮きたちょうせんが取り壊とりこわすことを約束やくそくしたと述のべたほか、同おなじ年としの9月つきに行おこなわれた南北なんぼく首脳しゅのう会談かいだんの共同きょうどう宣言せんげんでは「関係かんけい国こくの専門せんもん家かの立ち会たちあいのもと、永久えいきゅうに廃棄はいきする」という項目こうもくが盛り込もりこまれました。

しかし、米べい朝ちょう関係かんけいがこう着こうちゃくする中なかで廃棄はいきは実現じつげんせず、去年きょねん3月つきに「ソヘ衛星えいせい発射はっしゃ場じょう」を視察しさつしたキム・ジョンウン（金きむ正ただし恩おん）総そう書記しょきは、軍事ぐんじ偵察ていさつ衛星えいせいなどを「大型おおがた運搬うんぱんロケット」で打ち上うちあげられるよう、施設しせつの改修かいしゅうや拡張かくちょうを指示しじしました。その後そのご、具体ぐたい的てきな動うごきは伝つたえられていませんでしたが、アメリカの研究けんきゅうグループは、今月こんげつ12日にちに「ソヘ衛星えいせい発射はっしゃ場じょう」を撮影さつえいした衛星えいせい写真しゃしんの分析ぶんせきから、固定こてい式しき発射はっしゃ台だいの近ちかくにクレーンが設置せっちされ、改修かいしゅう工事こうじが進すすめられていると指摘してきしていました。

一方いっぽう「ソヘ衛星えいせい発射はっしゃ場じょう」では去年きょねん12月つき、キム総そう書記しょきの立ち会たちあいのもと、ICBM＝大陸たいりく間かん弾道だんどうミサイル用ようとみられる大だい出力しゅつりょくの固体こたい燃料ねんりょう式しきエンジンの燃焼ねんしょう実験じっけんが初はじめて行おこなわれたのに続つづいて、準じゅん中距離ちゅうきょり弾道だんどうミサイル2発はつが発射はっしゃされ「偵察ていさつ衛星えいせい開発かいはつのための最終さいしゅう段階だんかいの重要じゅうよう実験じっけんを行おこなった」と発表はっぴょうしていました。