来年120周年を迎える京都市動物園。上野動物園に次いで日本で2番目に古い動物園です。しかし「もうじゅうワールド」にライオンの姿はありません。
市街地にある京都市動物園。ライオンの飼育スペースは限られていました。本来は群れで生きるライオンのため、スペースを広げられないならばと、新たにライオンを飼育しないことを決めました。
「“動物ファースト”の考え方で。ライオンやゾウは非常に人気のある動物。いなくなってしまう動物園が果たしてどうなのか?という議論はあるが、動物が幸せに本当に暮らしていけるかどうかが、一番のポイントになるのかな」
ライオンが入っていた獣舎をジャガーのスペースに拡充。
例えば、フラミンゴ。野生では大群で暮らしています。限られたスペースで、どうすれば多くの仲間が集められるのか。そこで動物園が考えたのがこちら。
たくさんの仲間がいるように見えるため、フラミンゴが安心できるといいます。
ペンギンの展示スペースに置かれているのは人工芝や大きな岩です。
職員たちの思いが通じ、ことし春の健康診断では「たこ」は一つも見つかりませんでした。 元気にいろいろな場所を歩き回る姿が見られます。
モルモットとして親しまれているテンジクネズミが集まっているのは筒状の「休憩所」です。
この筒の中にテンジクネズミが入っている時は、子ども達に触らないように呼びかけています。
「動物の幸せも考慮しながら人も動物の関わり方を学ぶべき転換期に来てるのかな。この動物幸せに暮らしているのかな?どうなのかな?”という視点で見てもらえたら」
「触れる子と触れない子とはいるが、それもしょうがない。ストレスで弱っちゃうよりいい」 「子どもたちも“動物も疲れることがあるんやな”というのも分かったらいいかなと思う」
ほかにも、大阪の天王寺動物園では、今年4月、ヒツジやヤギなどの「ふれあい広場」を「ふれんどしっぷガーデン」にリニューアル。動物に触れるのは、近寄ってきた時だけで、触ることよりも動物への思いやりを重視しています。 訪れた人は、飼育員と一緒に動物のおやつを準備したり、説明を聞きながら観察したり。動物の気持ちを考える機会になればと考えています。 動物園は人が動物に親しむ場所だけではなく、動物の幸せも合わせて考えられる場所へ。 夏休み、動物園に出かけるときは、動物のためにどんなことをしているのか、調べてみてはいかがでしょうか。
「ええ話やなあ」「感動したわ」 小さな幸せのおすそ分けはいかがですか? こちらの投稿フォームからエピソードをお寄せください。
ジャガーの獣舎が2倍に
フラミンゴには仲間を
動物の元気な姿を見るために
ふれあいルームの動物には休憩所を
動物のためにできることを
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しかし今、その姿はありません。
そこには訪れる人だけでなく、動物たちも幸せになってほしいという動物園の思いがありました。
(大阪放送局しあわせニュース取材班 小野田真由美 足立ひかり)
ライオンの飼育は行いません